フレイルチェストの症状

フレイルチェストの代表的な症状は、呼吸するたびに走る胸部の激痛と、それに伴う呼吸困難です。そのほか、チアノーゼや血痰、皮下気腫などの症状を伴う場合もあります。
  
特徴的な症状としては、シーソー呼吸です。衣服を脱がせた状態で観察をすると、呼吸の際の胸郭の動きがシーソーのように患部周辺でずれていることがわかります。胸壁損傷や肺挫傷などを併発し、呼吸不全から死に至ることもあります。
  
フレイルチェストが発生しやすいのは、後方よりも前方、上部よりも下部です。また、血胸や気胸を併発することになり、こちらの症状が元で命を落とすことも多々あります。

フレイルチェストの原因

フレイルチェストは、連続する複数の肋骨がそれぞれ2箇所以上で折れている場合に発生します。通常、折れていない肋骨は呼吸の際にはすべて連動して動いていますが、フレイルチェストになるとそれぞれの肋骨が胸郭から独立して動くようになってしまいます。すると胸郭が圧迫されるため、胸壁の損傷や肺挫傷などが起こり、激痛を覚えるようになります。胸壁内に血腫ができたり、あるいは疼痛の影響などにより換気量も減るため、呼吸不全をもたらします。
  
肋骨の骨折の原因としては、大きな衝撃が胸部にかかる必要があるため、交通事故によるものや高所からの墜落などが目立ちます。

フレイルチェストの治療法

フレイルチェストは胸部外傷の中でも非常に重度の部類に入るものです。専門的治療が必須ですので、速やかに救急車を呼ぶ必要があります。救急車の到着までの間には、厚手の布などを骨折面に当てて、テープなどでしっかりと固定する応急手当が求められます。
  
治療法としては、人工呼吸器によって呼吸を保つ方法が一般的です。呼吸を管理している間に胸郭を修復し、骨癒合を目指します。ただし、血胸や気胸などを必ず合併することになりますので、治療にもリスクを伴います。