核黄疸とは
核黄疸とは新生児に多く見られる黄疸で、血液中のビリルビン値が異常に上昇することによって脳細胞が侵される病気です。一般的な新生児黄疸の重度なものです。脳の神経細胞に影響を与えるため、脳性麻痺や難聴といった甚大な後遺症を残す可能性があります。ただし、日本国内では核黄疸の発症は著しく減っています。
症状
核黄疸の症状は黄疸の重度なものです。ビリルビンが過剰にある状態では眼球や皮膚、体液などが黄色く染まりますが、核黄疸ではその度合いが強めです。初期には黄疸症状以外に、元気がなくなったり、哺乳力の低下などが見られます。また、うとうとしてばかりいる場合も核黄疸の症状である可能性があります。やがて病状が進行すると、頭を後ろに反らしたまま全身が硬直する後弓反張という症状が現れます。以後は発熱やけいれんなどを見せるようになり、死亡する場合があります。生存した場合にも、脳性麻痺、知的障害、難聴といった後遺症を見せることが多くあります
原因
核黄疸の直接的な原因は、血液中のビリルビン濃度が過剰に高くなることです。総ビリルビン=間接ビリルビン+直接ビリルビンですが核黄疸に関係するのは間接ビリルビンです。ビリルビン値を上昇させる疾患としては、新生児溶血性疾患、血液型不適合、閉鎖性出血などが挙げられます。間接ビリルビンのほとんどは血液中のアルブミンという蛋白と結合していますが結合していないビリルビンは脳に到達しやすくこのビリルビンが大脳基底核へ沈着すると、核黄疸へと移行します。なお、黄疸症状を見せる新生児疾患であっても、高直接ビリルビン血症や母乳性黄疸の場合には核黄疸へ移行することはありません。
治療法
現在では新生児のプライマリーケアが進んだため、日本国内では成熟児の核黄疸はほとんど見られません。初期症状が見られたとしても迅速に対応されるケースがほとんどです。しかし未熟児の場合には、核黄疸の典型的症状が確認できないことが多く、発覚したときにはすでに重症化していることもあります。この場合には、光線療法(人工的な紫外線を照射してビリルビンを分解する)や交換輸血などをおこない、ビリルビン値を正常に戻すような治療が実施されます。
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