回旋異常とは
回旋異常とは、胎児が産道を通るときにうまく通常の回旋ができず、スムーズな分娩が妨げられる状態のことです。通常、胎児は最も効率の良い向きに回旋し骨盤内に侵入してくるのですが、この回旋が正常に機能しないと、分娩に時間がかかったり、お薬を必要としたり、帝王切開を要することもあります。
回旋異常の症状
回旋異常の主な症状は、分娩がスムーズに進行しないことが挙げられます。正常な回旋では、胎児は4つの段階を経て身体の向きを変えながら娩出されます。しかし回旋異常があると、産道をうまく通ることができず、途中で止まってしまう事もあり、難産となります。回旋異常は通常、第一回旋および第二回旋において発生し、第三回旋まで進めばスムーズになります。母体側の症状としては、分娩が長期化することによって陣痛が強くなる、反対に陣痛が弱くなってしまうという可能性もあります。
回旋異常の原因
回旋異常の原因は、様々なものが考えられます。比較的よく見られるものでは、骨盤の形態の問題があります。その他以下のような原因が考えられます。・母体側の原因
子宮の異常(子宮の奇形、子宮筋腫)、胎盤の異常(前置胎盤、低置胎盤)、骨盤の異常(狭骨盤)
・胎児側の原因
胎児の発達の問題(早産、子宮内胎児発育遅延)、胎児の数が多い(双胎妊娠、多胎妊娠)、羊水の量(羊水過多、羊水過少)、胎児の奇形(水頭症、無脳児)
回旋異常の治療法
回旋異常は事前に分かる場合もありますが、分娩する段階になって判明することも多々あります。特に、分娩の進行がスムーズでないために検査をしてみたところ回旋異常が見つかるというケースも多いです。骨盤に充分な広さがある場合や陣痛が充分にあるケースでは、そのまま分娩を進行することも可能ですが、自然分娩が難しそうな場合には帝王切開に切り替えます。お母さんと赤ちゃんの命を救う、最善の方法で主治医と分娩方法を検討、決定していく事になるでしょう。
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