軟骨肉腫とは
軟骨肉腫は、骨に原発する腫瘍の一種で、骨腫瘍としては2番目に多いものです。軟骨を作る細胞ががん化することによって起こる悪性腫瘍ですが、良性の軟骨腫と見かけ上の区別がつかないこともあるため、慎重な診断が必要です。発生時期としては、40代以降の人に多く見られます。
軟骨肉腫の症状
軟骨肉腫は、初期段階では自覚症状がありません。肉腫が大きく成長してくると、次第に痛みを感じるようになってきます。軟骨肉腫は成長速度が比較的スローペースであるため、痛みを自覚するようになった段階ではかなり症状が進んでいると考えてよいです。また、骨の強度が弱くなるため、小さな力でも骨折する場合があります。そのほか例外的に、以前から骨に見られたこぶが、ある時期から急に大きくなり痛みを伴うようになるというケースもあります。この場合は、良性の骨軟骨腫が悪性に転化したサインです。いずれの場合も、痛みを自覚するようになったらすぐに病院を受診すべきです。
軟骨肉腫の原因
軟骨肉腫の原因は、はっきりわかっていませんが、遺伝子変異の連鎖によって、起こるいわれています。 最近の研究では、P53などのがん抑制遺伝子の異常が軟骨肉腫にも関係している可能性があるとされています。原発性の骨腫瘍である骨肉腫やユーイング病の場合は若年者に発症しやすい病気ですが、軟骨肉腫では患者の年齢層は高く、40代や50代以降での発症が多く見られます。
軟骨肉腫の治療法
軟骨肉腫の治療は、外科的な手術しかありません。悪性度が低い腫瘍なのですが、抗がん剤や放射線療法がまったく効かないという特徴を持っています。具体的な手術法としては、かつては手足ごと腫瘍を切除する方法が主流でした。しかし近年ではできるだけ手足を残そうという方向になっており、腫瘍のみを切除するケースが増えています。
四肢の切除が行われるのは、腫瘍の範囲が非常に広い場合や、再建しても手足の機能を保てない場合などです。
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