日本紅斑熱とは
日本紅斑熱は感染症の一種で、生きた細胞内に寄生する細菌「リケッチア」により発症します。野山などにいるマダニを媒介として感染し、頭痛、発熱、発疹、刺し口が特徴で主に西日本で春から秋にかけて発生します。重症化すると死亡する恐れもある感染症です。
日本紅斑熱の症状
日本紅斑熱のほとんどの場合、感染後2~8日の潜伏期間で発症します。症状は、倦怠感を伴った頭痛・発熱(39℃程度)、関節痛や筋肉痛、紅色の斑丘疹が四肢末端部に強く出る場合が多いです。また、CRP(炎症度合い)上昇、AST・ALT(肝酵素分泌)上昇、白血球や血小板の減少などもみられます。特に発熱と発疹が多く見られ、風疹の症状に似ていますが、稀にリンパ節の腫脹などの症状も現れます。重症化し死亡した例もあるので、発症前に出向いた地域や症状から発症を疑い、刺し口の早期確認、最寄りの病院での診察・適切な抗菌薬の投与が重要です。
日本紅斑熱の原因
山林などでの業務、野外キャンプやハイキングなどのレジャー、キノコや山芋掘りなどの山菜採りなど、野山での作業が日本紅斑熱の主な原因と考えられています。患者が多く発生している国内地域での感染報告や日本紅斑熱に似た症状で、ロッキー山脈紅斑熱などもあります。また、海外から帰国後発症した症例もありますが、どれもダニによる感染症です。
マダニの種により吸血時に痒みや痛みを抑える物質を出すものがいます。刺された事に気付かないケースや、極小さな傷痕のため、発見が遅れると傷跡が分からなくなっているなど、発見し難い場合も多く考えられますので注意が必要です。
日本紅斑熱の治療法
日本紅斑熱を防ぐには発症時期や発祥地を事前に確認し、汚染地域に立ち入らないことです。やむを得ない場合は皮膚の露出を控え、ダニ忌避剤などの使用やダニの付着を注意深く確認する事が必要です。ダニの種類によっては痒みや痛みを感じない場合もありますので、自分で目視できないカ所は鏡などの器具の利用、第三者による確認を行ってください。ダニによる吸血痕が確認された場合は発症の疑いがあるので、最寄りの病院での早期診察・治療をしてください。治療には抗生剤の内服が必要となりますので、専門の医療機関に受診しましょう。
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