網膜静脈閉塞症の症状

網膜静脈閉塞症の症状は、閉塞が生じる場所によって異なります。静脈が詰まると、末端部分の静脈から血液があふれ、眼底出血を引き起こしたり、血液が網膜内に閉じ込められて網膜に浮腫が生じたりします。

網膜の黄斑(視力に最も関わる部分)に出血や浮腫が生じると視力が急激に低下します。また、視野の一部が欠けたり、物が歪んで見えたり、靄がかかったように白っぽくかすむこともあります。血液の循環が阻害されている面積が大きいほど黄斑浮腫が起きやすく、視力低下が著しくなります。また、急性期症状が落ち着いてから数ケ月後に硝子体出血や網膜剥離などの合併症を引き起こすこともあります。

網膜静脈閉塞症の原因

網膜静脈閉塞症は網膜の静脈に血栓ができて、血流が妨げられることにより起こります。詰まる部位によって中心静脈閉塞症と分枝静脈閉塞症に分けられます。加齢とともに発症しやすくなり、男性は40歳以降、女性は50歳以降に多く発生しています。高血圧や慢性腎臓病の人は発症のリスクが高くなることがわかっています。

血栓のできる原因として多いものに動脈硬化があげられます。網膜の動脈の血管が硬くなると、接している静脈を圧迫することにより静脈内に血栓が生じます。高血圧は動脈硬化の原因の一つにあげられますが、血圧が高くない場合でも動脈硬化がある人に網膜静脈閉鎖症がみられることもあります。

網膜静脈閉塞症の治療法

網膜静脈閉塞症は高血圧などの生活習慣病の人に発症するリスクが高いため、網膜静脈閉鎖症の予防には生活習慣病をコントロールすることが大切です。バランスのいい食生活や運動を心がけ、高血圧や動脈硬化を予防しましょう。

また、加齢とともに発症する確率が高くなるのも特徴です。自覚症状がなくても眼底検査によって診断が可能です。早期に治療を開始した方が効果が高いので、生活習慣病のリスクのある場合は定期的に検査を受けてもよいでしょう。

治療としては、レーザーによる治療、硝子体を切除する手術、ステロイド薬や抗血管新生薬を眼内に注射する治療法等があります。状態に合わせて選択されるでしょう。