柑皮症とは
一般的に「みかんをたくさん食べると手が黄色くなる」といいますが、これが「柑皮症」です。柑皮症は、みかんなどの食べ物に含まれるカロテン(カロチン)という色素が皮膚や手のひらなどの組織に沈着するために生じます。
柑皮症の症状
柑皮症は、カロテンなどのカロテノイド色素が顔の皮膚や手のひら、足の裏などに沈着して黄色くなる状態をいいます。色素が沈着して黄色くなるだけで、他の炎症や発熱等の全身症状などは全くみられません。同じ肌が黄色くなる症状として黄疸があげられます。黄疸は、ビリルビンという色素が血液中に増加して全身の皮膚や粘膜が黄色くなる症状で、肝臓の病気などで生じます。柑皮症とは、白眼部分が黄色くなっているかどうかで区別が付きます。
カロチンはみかんのほかにニンジンやシソなどの緑黄色野菜に多く含まれています。カロテンの他に、トマトに含まれるリコピン、海藻類に含まれるフコキサンチンなどもカロテノイド色素の一種です。
柑皮症の原因
柑皮症の原因は、カロテノイド色素の過剰摂取によるものです。水溶性のものはそのまま体外に排出されますが、カロテンは脂溶性のため多く取り過ぎると体内に残ってします。その結果、血中のカロテノイド濃度が高くなって皮膚に色素が沈着することにより肌が黄色くなります。カロテノイド色素は、トマトやカボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜、マンゴー、スイカなどの果物、エビ・カニ、鮭などの魚介類、海苔やわかめなどの海藻などのほか、野菜ジュースなどにも多く含まれているため、これらの摂取量が多い人も柑皮症になりやすいといえます。カロテンは脂溶性のため、高脂血症の人は柑皮症が起こりやすくなります。
柑皮症の治療法
柑皮症の原因は、カロテノイド色素の過剰摂取によるものなので、カロテノイド色素を含む食べ物の取り過ぎに注意することで防ぐことができます。柑皮症そのものは身体への害がないため、カロテノイド色素の摂取を減らせば皮膚の色は徐々に元に戻ります。したがって、特に治療の必要はありません。しかし、高脂血症の人は柑皮症になりやすいため、しばしばみられる場合は高脂血症の検査をするとよいかもしれません。また、柑皮症が生じた場合、食事の偏りが懸念されます。食生活を見直し、バランスのよい食事を取るようにしましょう。
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