内軟骨腫の症状

軟骨組織は成長期などに活発に新しい骨を作り、骨を太く成長させる役割を担っています。そのため、内軟骨腫は若い人ほど発生しやすく、約半数の患者が10~30歳代といわれています。高齢者の場合は、再発や悪性化が起こり見つかることもあるため注意が必要です。

初期は痛みなどの自覚症状がないため、他の病症のためのX線検査で偶然に発見されることも少なくありません。症状が進行すると内軟骨腫が増殖して骨を内側から削ったり、骨が外側に押されてコブ状に変形したりして骨が薄く弱くなります。

このような状態になると、痛みを感じることや、普通の状態であれば骨折しないような小さな衝撃でも骨折する(病的骨折)ことがあります。

内軟骨腫の原因

骨はそもそも先端を覆っている軟骨と骨との境で組織が増殖して成長します。しかし、骨を作るもととなる軟骨組織が別の場所に生じて、そこで骨が増殖・成長してしまうために内軟骨腫が発生します。

現在のところ、軟骨組織が別の場所に生じる原因や骨の内部に腫瘍ができる原因はよく分かっていません。ただし、複数カ所に起こる多発性は家族内での発生(オリエ病やマフッチ症候群)も見られるため、遺伝性要因の関与も考えられています。

手や足の指の骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、肩甲骨などに発生しやすいのが特徴です。

また、良性の内軟骨腫が悪性の軟骨肉腫に変化することはほとんどありませんが、大きなものや多発性のものでは変化する確率が少し高くなりますので注意が必要です。

内軟骨腫の治療法

内軟骨腫の原因が判明していないため、現在のところ、予防は知られていません。また、初期症状が乏しいため早期発見が難しい疾患です。

しかし、多発性は遺伝子要因の関与が認められている上、悪性化の確率も高くなるため、家族内に多発性の内軟骨腫の人がいる場合は、X線検査などを受けた方がいいでしょう。

通常、日常生活に支障がなければ治療は必要なく経過観察となります。しかし、痛みがある場合や骨折のおそれがある場合は手術により内軟骨腫を取り除き、取り除いた部分に骨を移植することで完治が期待できます。