耳せつ/急性化膿性限局性外耳炎とは
耳せつとは、軟骨部外耳道の皮脂腺や毛嚢腺が細菌に感染して「せつ」と呼ばれる膿の塊ができた状態のことをいいます。つまり、外耳道の内部にニキビやおできのようなものができる耳の疾患です。急性化膿性限局性外耳炎と呼ばれることもあります。
耳せつ/急性化膿性限局性外耳炎の症状
耳せつの主な症状は、耳の痛みや腫れ、耳の熱感などです。痛みは、顎の開閉で増強し、痛みが頭部にまで広がり頭痛を伴うこともあります。外耳道の入り口にせつができることが多くなりますが、外耳道の内側にできると痛みが増すといわれています。外耳道の皮膚は赤くなり、中が見えないほど腫れ上がることもあり、耳の周辺は熱を帯びます。リンパ節腫脹により頸部リンパ節炎などを併発したり、軽い難聴などが現れたりすることもあります。通常、せつが破れて膿が出れば症状は軽減し、1週間程度で改善します。
耳せつ/急性化膿性限局性外耳炎の原因
耳せつは、ほとんどの場合、耳掻きや爪などによる損傷から感染しますが、水泳や入浴などの際の水の刺激や耳湿疹に合併して起こることもあります。主に黄色ブドウ球菌による感染で起こるといわれ、外耳道が湿潤して体温が高いことが菌の繁殖に最適な環境となるため夏季に多く発症します。複数のせつを何度も作り症状を繰り返す場合は、糖尿病などの全身疾患が隠れていることもあるため注意が必要です。
痛みが激しいため、炎症を抑えることと痛みを抑えることが治療の中心となり、局所治療として外耳道の吸引や清拭処置、抗菌剤とステロイド薬の点耳薬の投与が行われます。
耳せつ/急性化膿性限局性外耳炎の治療法
耳せつで最も大切な予防は、必要以上に耳をいじったり、ひっかいたりしないことです。なるべく余計な刺激を与えないようにしましょう。また、細菌が入り込むことを防ぐため、外耳道を清潔に保つことも重要です。症状が改善しない場合はすみやかに耳鼻咽喉科を受診して下さい。
糖尿病の疑いがある人は、早めの検診が必要です。また、栄養バランスのとれた正しい食生活と適度な運動をして、健康的な生活習慣を心がけましょう。
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