航空性中耳炎の症状

飛行機に乗ると耳が詰まった感じになることがよくありますが、通常、あくびや嚥下(飲み込む)で解消されます。しかし、まれに耳の異常が数日続くことがあり、これを航空性中耳炎と呼びます。

軽症の場合、耳のつまりや痛みは数分から数時間続きますが自然に治まるので心配しなくていいでしょう。アレルギー性鼻炎や風邪で副鼻腔炎や咽頭炎を起こしている場合は症状が長引き、激しい痛みや耳鳴りが現れます。

症状が重い場合は、発赤や内出血、めまい、吐気、耳閉塞感、耳鳴りが1~2週間続き、まれに難聴や鼓膜が破れることもあるため注意が必要です。

航空性中耳炎の原因

飛行機が上昇すると大気圧より中耳の内圧の方が高いため、鼓膜は外耳道の方へ張り出し、下降すると中耳の内圧が低くなるため、鼓膜が中耳のほうに引っ張られます。そのため、耳管での圧調整機能が低下して航空性中耳炎を発症します。

アレルギー性鼻炎や風邪で副鼻腔炎や咽頭炎を起こしている場合に長引くのは、既に耳管の働きが悪く、耳管にポリープができて開口部分を塞いでいることもあるからです。

飛行機だけでなく、高層ビルのエレベーター、高山でのドライブ、列車でのトンネルを通過などでも急激な気圧変化が起こり同様の症状を引き起こすことがあります。

航空性中耳炎の治療法

航空性中耳炎は繰り返し発症することがあるため、予防が大切です。
できれば気圧の変動を避けるため、飛行機の利用は控えた方がいいでしょう。どうしても利用しなければならない場合は、事前に点鼻薬や抗ヒスタミン薬などを服用して耳管周囲の浮腫を取り除くよう心がけてください。
また、飛行機の離着陸時15~30分間に気圧の変動が集中するため、飴をなめる、ガムを噛む、つばを飲む、あくびをする、口を大きく開けるなどの方法で対処しましょう。小さなお子さんには、ミルクやジュースなどの飲み物を与えるのも効果があります。