臍帯巻絡とは
臍帯巻絡は、胎児の体の一部に臍帯が巻きついてしまっている状態のことをいいます。 無症状のこともありますが、臍帯の圧迫により、低酸素を起こして胎児が仮死状態になる場合や、時には死亡に至るケースもあります。 臍帯巻絡は、分娩例の20〜25%にみられる、発生頻度の高いものです。
臍帯巻絡の症状
臍帯巻絡は、多くは胎児の首に臍帯が巻きつきますが、四肢(手足)や体幹(胴体)に巻き付いている場合もあります。また、巻きつきはたいてい1回ですが、2回以上巻きついていることもあります。臍帯に異常がない場合は普通に出産を迎えることができますが、臍帯の血行不良や巻きつきが原因で胎児に影響が出る場合は、帝王切開での出産や、出産時に臍帯を切断することもあります。
臍帯巻絡の原因
臍帯巻絡は、胎児が活発に動くことにより起こります。羊水の中では、胎児は自由に動き回ります。それによって、臍帯が体に絡んだりほどけたりを繰り返しています。胎動の激しい胎児や、逆子になりやすい胎児の場合には臍帯巻絡の傾向が高くなっています。また、臍帯が長い人の場合も起こりやすいと言われています。臍帯の長さは標準的には胎児の身長より若干長め程度ですが、長い人では1Mを超えていることもあります。
しかし、これは臍帯が長かったのか、胎児の動きによって臍帯が引っ張られ、だんだんと伸びていったのか、はっきりとはわかっていません。
臍帯巻絡の治療法
原因となっている胎児の動きを止めることはできませんので、これといった予防法はありませんし、臍帯巻絡が確認できても、それを治す方法もありません。出産までの診断方法としては、超音波診断で確認することができます。臍帯巻絡が確認されている場合、巻絡の回数や血流障害があるかどうかなど、経過を見ながら胎児に深刻な影響がなければ出産までは様子を見ます。臍帯巻絡があっても、多くは普通に分娩できますが、胎児に影響がでると、緊急帝王切開などが行われます。
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