過敏性肺炎の症状

過敏性肺炎は、原因となるアレルギー物質を吸い込むことで炎症が起こり、4~6時間後に主に発熱、咳、呼吸困難、息切れ、だるさといった症状が出ます。これらの症状は、抗原となる物質との接触がその後になけなれば通常数日で改善しますが、完治には数週間かかります。
  
亜急性型の過敏性肺炎は、発症が遅く、数日から数週間後に症状があらわれます。また、仕事や住環境の関係で数ヶ月から数年間、抗原との接触を繰り返しているうちに、徐々に進行し、慢性化してしまうこともあります。慢性過敏性肺炎になると、呼吸不全を引き起こし、咳や息切れ、疲労感などの症状の悪化が見られる場合もあります。

過敏性肺炎の原因

日本で多く見られる過敏性肺炎にはさまざまな種類があります。職業により抗原がいろいろありますが、主なものでは、カビのはえた干し草などにいる細菌を吸い込むことで発症する、酪農家に多い農夫肺、はとやインコのフンが原因の鳥飼病、ポリウレタンの材料となるイソシアネートによるものなどです。また、加湿器やエアコンの水やフィルターについたカビが原因でおこる加湿器肺、空調病などもあげられます。
  
この他、一般的に多く見られるのが夏型過敏性肺炎です。夏場に高温多湿な家屋内において、トリコスポロンというカビの一種が増殖し、それがアレルギーの原因となります。

過敏性肺炎の治療法

過敏性肺炎の予防には、原因となる物質を吸入しないことが大切になります。夏型過敏性肺炎の場合は、風通しの悪い部屋や湿気の多い場所に増殖するトリコスポロンの排除が必要です。カビで腐った木などがあれば取り除きます。通気をよくし、除湿を心がけることで改善されます。
  
空調設備や換気装置は、フィルターをこまめに交換したり、機材を清潔にしたりしておきます。農夫肺や鳥飼病などの過敏性肺炎になる抗原から避けられない環境にいる場合は、防塵マスクの着用などが必要です。