症状

中葉症候群の主な症状としては、咳や痰が続くようになり、しだいに血の混じった痰、激しい咳、胸の痛み、発熱などが起こります。人によっては、回復が遅く、完治しにくい肺炎を何度も繰り返すケースもあります。肺が化膿していることから咳や痰が起こり、胸膜に与える影響にために痛みが生じます。

また、無気肺の部分が多くなると息切れがひどくなり、進行するにつれて血中酸素濃度が低下してしまいます。診断は胸部エックス線撮影によって行われ、中葉症候群になった肺には空気が極端に少なくなるためフィルムが白くなります。
胸部CT検査、気管支鏡検査などで診断される場合もあります。

原因

中葉症候群は右中葉気管支での炎症が慢性化してしまい、気管支がふさがることによって起こります。構造上、これらの気管支はふさがりやすくなっていることが原因の1つになっています。

気管支の周囲には複数のリンパ節が存在しているため、リンパ節が腫大する病気などによって、リンパ節が気管支を圧迫し中葉症候群を発症します。さらに、リンパ節は広い範囲から流入するため、炎症が起こりやすいのも発症の引き金になります。

また左の肺には左肺舌区という部分があり同様の病態を起こしやすく舌区症候群といいます。


右中葉や左舌区へ延びる気管支は走行が長くて細いことからも圧迫されやすく、他の肺から分離していることからも無気肺が起こりやすくなっています。中には気管支内の腫瘍が原因のこともあるので注意が必要です。

治療法

中葉症候群を発症する大きな原因は肺の構造上と関係があり、右中葉や左舌区の気管支が解剖学的にふさがりやすいことに関係しています。そのため、中葉症候群を確実に予防するのは難しいといえます。

中葉症候群の発症率を少しでも低くさせるには、喫煙の習慣を持たないことが重要になってきます。また、日頃から深くゆっくりした呼吸を意識的に行うことで、無気肺の予防に役立ちます。人工的な呼吸補助装置を使うことで、肺がふくらみ、深い呼吸を維持することが可能になります。肺の理学療法や気管支鏡、去痰剤やネブライザー等も治療に用いられます。細菌感染を伴うときは抗生物質で炎症を抑えます。