時計皿爪/ヒポクラテス爪とは
時計皿爪/ヒポクラテス爪は爪全体が大きくなってスプーンを伏せたような形になることが特徴です。また指の先端が太鼓ばちのように肥大するためばち状指とも言われます。紀元前にヒポクラテスが最初に記載したことから名付けられたといわれています。心臓や肺などの慢性疾患の一症状として認められます。
時計皿爪/ヒポクラテス爪の症状
時計皿爪は爪の先端が爪をまきこむようにして隆起し肥大化する症状のことをいいます。指先の腫れを伴う場合にはばち状指と呼ぶこともあります。片側の爪だけがこの症状を示した場合には、その側の血管に障害がある場合が考えられます。点状の白斑が生じる場合もありますが問題はありません。縦の筋が生じた場合も加齢によるもので問題ありません。
爪は内蔵の疾患を表すことが多い器官で、時計皿爪が急に発症した場合には肺か心臓に異常が見られる場合があります。慢性疲労や慢性喫煙などから発症する内臓疾患でも爪をチェックします。鉄欠乏性貧血性の場合もありますが、内臓疾患の場合には全部の爪に現れ、左右対称で足の爪にも現れてくるのが特徴です。
時計皿爪/ヒポクラテス爪の原因
鉄欠乏性貧血の場合には、血流が不足していることが理由です。睡眠不足や栄養不足などが原因にあげられます。内臓疾患の症状を爪から判断できるメカニズムは解明されていませんが、爪の栄養がなくなることで爪が薄くなり、組織の浮腫のために皮膚は逆に厚みを増し、爪の水分含有量を減少させ、爪の内側を凹ませているのではないかと言われています。しかしすべての内臓疾患の人に時計皿爪の症状が見られるわけではなく、原因究明は困難です。爪の治療ではなく原因となる疾患を治療することが先決になります。先天性の場合には血液の病気によって爪がチアノーゼという赤紫色になり時計皿爪になっていることが知られています。
時計皿爪/ヒポクラテス爪の治療法
鉄分不足の場合には日常の食生活を見直すことで対応することができます。爪は健康のバロメーターであり、角質層が変化してできた皮膚の一部であり、すぐ下を流れている血液が健康状態によって変化することで体調だけでなく爪にも影響がでることを認識していれば、時計皿爪の場合、爪の異常ではないことがわかりますし、皮膚科よりも内科を優先して受診できるはずです。ハンドクリームで手と爪を手入れすることを習慣付けたり、ネイルをした場合には適量のリムーバーを利用することによって爪の水分不足を予防することが大切です。爪を切りすぎて深爪になったり、窮屈な靴をはかないようにするなどのケアも大切になります。血管障害を起こしやすい喫煙も注意する必要があります。
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