マールブルグ出血熱とは
マールブルグ出血熱は、1967にドイツのマールブルグとフランクフルト、セルビアのベオグラードで初めて確認された病気です。エボラウイルスと同じフィロウイルス科に属するマールブルグウイルスによって発症し、致死率の高い病気の一つです。マールブルグウイルスは発熱、頭痛、筋肉痛、発疹などエボラウイルスとよく似た症状を引き起こすことでも知られています。
マールブルグ出血熱の症状
マールブルグ出血熱は潜伏期間が2日から21日とされています。症状としては、高熱、重度の頭痛、重度の倦怠感があります。急激に症状が現れることが多く、筋肉痛も伴うこともよくあります。重症化すると重度の水様性下痢、腹痛、腹部の疝痛、悪心、嘔吐が起こるようになり、眼は深くくぼみ、無表情になり、極度の無気力状態に陥ります。同時に発疹も現れることが多くあります。
さらに進行した場合には鼻や歯茎などからの出血が見られるようになり、嘔吐物や便にも出血が確認できるようになります。ほかにも中枢神経にも症状が現れ攻撃的になったり、錯乱状態に陥ることもあります。多くの場合重度の失血とショック状態から8日から9日ほどで死亡します。
マールブルグ出血熱の原因
マールブルグ出血熱の動物から人への感染は、ルーセットオオコウモリの群れが生息する鉱山や洞窟で長時間活動することで起こります。人から人への感染は、感染した人の血液、分泌物、臓器、その他の体液への濃厚接触が原因となります。アフリカの葬儀の習慣で行われている死体に直接触れる行為は、マールブルグ病の感染を大規模に拡大させる大きな要因となっています。そのため、マールブルグ出血熱が疑われる死体の埋葬には専門家による措置が必要となります。さらに感染者が回復したあとも、7週間は精液にウイルスが含まれていることがあり、感染源となりえます。
医療従事者に対する感染原因としては、針刺し事故などの医療事故や不十分な感染予防措置で患者に接触することが指摘されています。
マールブルグ出血熱の治療法
マールブルグ出血熱にはまだ有効なワクチンや治療方法がないので、マールブルグウイルスに感染しないようにすることが予防方法となります。ルーセットオオコウモリがマールブルグウイルスの自然宿主と考えられています。ですから生息域に立ち入らないことが重要です。また、どうしても立ち入る必要がある場合には、防護措置をとることが必要です。さらに豚に感染するとウイルスが増幅されることがわかっているので、コウモリと豚が接触しないようにすることも必要となります。
マールブルグ出血熱が疑われる人との接触をなるべく避けること、感染者や疑いのある人の葬儀の際には死体に触れることを避け、埋葬はWHOなどの専門家に依頼することも重要な点です。
治療法は確率されておらず、対症療法を行います。
安静、ショックに対する治療、輸液・循環の管理などの対症療法です。感染拡大を防止するため専用病棟に隔離されたうえで治療が行われます。
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