重金属中毒の症状

重金属中毒になると、腹痛や嘔吐、さらに下痢や吐血、あるいは下血といった病状が体に表れてきます。また、症状がひどくなると、激しいショックを引き起こすこともあるため注意しなければなりません。また、重金属を蒸気として肺へと吸収した場合には、発熱などの病状を示すこともあります。
また、吸収する重金属の種類によって、症状はかわり、カドミウムやベリリウムであれば肺水腫、水銀の場合には間質性肺炎が起こる可能性があります。
こうした重金属中毒による病状が慢性化すると、体を構成する各種の臓器に障害が表れます。その結果生命の危機に陥ることもあります。

重金属中毒の原因

重金属中毒が起こる原因は、体内への多量の重金属の吸収です。金属の種類によっては、ごく少量であっても人体に異常をもたらすものもあります。重金属が体内に入ると、消化管の粘膜を刺激したり、あるいは腐食する作用をもたらします。その結果として、消化器系の各種の病状を引き起こす原因になります。
また、重金属を含んだ蒸気を肺から吸い込んだ場合には、肺の細胞のタンパク質を変質させる作用をもたらし、肺細胞を破壊したりあるいはアレルギー反応を引き起こします。体の機能を維持するためのサイクルが重金属によって異常をきたすこともあり、その場合には、肝臓や腎臓、神経や骨などに対して、各種の問題を起こす原因になります。

重金属中毒の治療法

重金属中毒に対する予防の方法としては、重金属を体内に摂取しないために心がけることが重要です。食品や飲料水の重金属の濃度は、厳しく安全管理がされています。しかし、本人が気づかないうちに体内に摂取してしまうということもあり、もし重金属中毒の病状が現れたのであれば、迅速な対応を必要とします。
また、誤って重金属を飲み込んでしまった場合には、胃の洗浄や下剤を使用することにより、体外へといち早く重金属を排出することが求められます。また、キレート剤を用いて、体外に対して重金属をできるだけ排出しやすくする対策をとることもあり、医療機関にはやめに受診することが大切です。