交感性眼炎の症状

交感性眼炎の症状は、原田病とほぼ同様であるといわれます。発病の3~7日ぐらいで発熱があり、風邪のような喉の痛み、耳鳴り、難聴、めまい、頭痛などが現れることがあります。時に頭皮にピリピリするなどの違和感を感じることがあります。眼の症状としては、まぶしい、眼の奥の方が痛い、ものが見えにくいなどが通常は両眼に現れます。

次に網膜剥離による視力障害が起こり、この際、80%の症例で内耳機能障害を併発します。脳脊髄液に蛋白細胞解離が認められ、視神経が赤く腫れて水晶体が前方に移動するので遠視化が起こります。数ヶ月後、色素細胞の消失によって皮膚の白班や、毛髪の白変が見られるようになります。さらに眼底が夕焼け眼底になることがあります。

交感性眼炎の原因

交感性眼炎は、色素細胞が、外傷をきっかけに免疫系にさらされることにより、色素に富んだぶどう膜に対する自己免疫反応が起こり、これが原因と考えられます。外傷とは角膜や強膜を貫通するような切り傷や刺し傷、眼球破裂などがあります。また外傷を受けるのと類似するものとして白内障、緑内障、網膜剥離などの手術があります。

具体的には、血液中の白血球のひとつである「リンパ球」が自分の眼のぶどう膜、皮膚、毛髪などにあるメラニン色素をもった細胞を破壊するのです。しかし全ての人がこの病気にかかるわけではありません。遺伝的な素質を持った人にしか発症しません。さらに素質を持っているとしても発症しない人もいるのです。この点で本当の発症の原因はよくわかっていません。

交感性眼炎の治療法

以前は適切な治療方法が確立していなかったため、唯一の予防方法は眼球を摘出することでしたし、現在でも有効な治療が行われる可能性が見いだせないと摘出を選択することもあります。
早期発見における有効な治療はステロイド薬の大量点滴投与で、副作用の危険性があるので入院が必須です。パルス療法という超大量のステロイド薬を短期間に集中的に投与する方法がとられることもあります。前部ぶどう膜炎を併発した場合は、局所的な治療として消炎のためのステロイド薬の点眼や、虹彩の癒着防止のための散瞳薬の点眼も行われます。