紅色陰癬とは
紅色陰癬はこうしょくいんせんと読みます。股や脇の下など皮膚がこすれやすく、汗で蒸れやすいところにできやすい部分に生じる皮膚の感染症になります。Corynebacterium minutissimumという細菌による感染症で、赤みのある褐色斑で、皮がむけるのが特徴です。自覚症状は無いことが多いが、まれに痒みなどを伴います。ウッド灯で病変部を照射すると赤色を確認することができます。
症状
紅色陰癬は赤みをおびた斑点状が脇の下や股、足の指の間、乳房の下、お尻の割れ目などにできます。皮膚と皮膚が擦り合わさり、汗もかきやすい場所のため、汗や皮脂を栄養源とする細菌が繁殖しやすいため発症します。肥満症や多汗症の人は再発しやすくなります。皮膚表面がざらざらした感触になることも症状としてあげられます。かゆみがほんの少し発生する程度でかゆみがほとんどない場合もあります。
主に成人で糖尿病患者がかかりやすい病気として知られています。熱帯気候でもよく見られます。
皮膚に赤みの湿疹ができ、茶色くかさかさした状態に変わっていき、感染が胴体や肛門にまで広がることがあります。治癒しても再発する可能性が高いことでも知られています。
原因
紅色陰癬はコリネバクテリウム属の細菌に皮膚の表層部が感染することが原因で起こります。乳房の下や脇の下、股や足の指と指の間は皮膚と皮膚が接触しているので、汗をかきやすく皮膚がこすれがちになります。そのため皮脂や汗を好むバクテリアが繁殖し、感染症を引き起こすことになります。糖尿病で抵抗力の弱い人がかかりやすく、肥満症や多汗症の人は汗をかきやすいため発症しやすいうえ再発しやすくなっています。この病原菌は自然界のどこにでもいるありふれたものですので、原因が特定されていても対策を取ることは難しく予防が必要になります。一度発症すると半年や1年サイクルで再発することも多く、注意しながら生活しなければなりません。
治療法
紅色陰癬を予防するためには、まずは患部を清潔にしておくことです。汗をかいたら、洗い流すかすぐ拭くようにしておくこと、通気性のよい素材の下着を身につけて、着替えをこまめにすることです。皮膚を乾燥させておくことが重要になります。治療に利用されるお薬は抗菌作用のある塗り薬が基本ですが、重症例や病変の部位によっては抗生物質の内服も考慮します。かゆみが強いときは抗ヒスタミン薬を用いることもあります。洗剤やせっけん、消毒薬を利用して患部を消毒させてから乾燥させることも大切になります。通気性の良い靴を履くことも大切ですし、スリッパやバスマットの共用はしないことも大切になります。足の場合は特に帰宅したらすぐ洗うことが重要です。
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