尿道腫瘍とは
尿道腫瘍とは尿路性器腫瘍のなかでも極めて稀な疾患で、もっとも発症する頻度が低いものとされています。また、尿道の仕組みの違いから男女によって発病の過程や症状に若干の差異があるのが特徴です。尿路系腫瘍のなかでも唯一男性よりも女性が多く発症する疾患として知られています。
症状
尿道腫瘍の症状は男女間で異なっているため、いちがいにまとめることは困難ですが、排尿に支障をきたすというある程度の共通性が垣間見えます。男性が発症する尿道腫瘍の主な症状は、排尿困難と腫瘤の触知を発症する頻度がもっとも多く、ほかにも血尿や尿道痛、膿性分泌物などを発症します。また、進行の度合によっては尿道周囲膿瘍を発症する場合があります。
そして、女性が発病する尿道腫瘍の場合は尿道出血が主な症状となります。ほかにも排尿痛や頻尿、尿道痛に腫瘤触知などが挙げられます。
ただし、尿道にできる腫瘍である以上、良性と悪性のどちらかを発病することになりますが、発症する内容だけでは良性と悪性の違いを判断することは不可能です。
原因
男女で尿道の仕組みが異なるため、尿道腫瘍の発症にいたる原因にも多少の差異が現れます。男性が発病する尿道腫瘍の良性腫瘍は、尿道ポリープや嚢胞、血管腫や乳頭腫、尖圭コンジローマ等が挙げられ、主に尿道や陰茎にできることが原因となっています。また、悪性腫瘍の場合は膜様部から尿道球部に多く見られ、主な原因は慢性的な刺激や外傷などが挙げられます。
そして、女性が発病する尿道腫瘍の良性腫瘍は、主に尿道カルンクルとなります。これは外尿道口付近の後壁にできる良性腫瘍で、閉経後の後産婦に多く確認されています。一方、女性の悪性腫瘍の場合は慢性的な炎症刺激や線維化、ウイルス感染などが誘因となっており、良性に比べて発症頻度が低いとされています。
治療法
尿道系腫瘍のなかでももっとも発病例が少ないとされる尿道腫瘍の発病を防ぐ明確な予防法は、現在でも確立されていないのが現状です。そのため、尿道腫瘍を疑える症状が現れてからの適切な手術を受けることが、基本的な治療対応となります。尿道腫瘍の主な治療法は、男女とも腫瘍を切除・摘出する外科手術となります。
また、男女共に腫瘍が悪性の場合は、切除・摘出手術のほかに放射線治療を受けることができます。しかし、放射線治療による単独の完治は難しいため、外科手術と併用する形で治療が行われることになります。化学療法を受けることもできますが、多くの場合は術後の再発防止が目的となります。
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