フォン・ヴィレブランド病の症状

フォン・ヴィレブランド病には3つの病型があり、症状は病型ごとに異なります。
I型の場合は軽い出血症状が見られるだけですが、II型の場合は皮膚や粘膜からしばしば出血が起こります。鼻血や口腔内出血、月経過多などが代表的なです。
I型とII型はフォン・ヴィレブランド因子が量的に欠損しているだけですが、III型になるとそれが完全に生成されない状態となります。そのためIII型の場合はもっとも重度です。血液凝固機能が著しく低下するために、関節内での出血が起こりやすく、最悪の場合は脳を圧迫し脳出血などに至る恐れもあります。
フォン・ヴィレブランド病の症状はたいていの場合幼少のころに見られます。転んだ時に血が止まらない、鼻血が長時間に渡って出続けているなどの事例から気づかれる場合が多いようです。まれに成人になってから外相や分娩などの際に初めて診断される例もあります。

フォン・ヴィレブランド病の原因

フォン・ヴィレブランド病の原因は、フォン・ヴィレブランド因子の欠如や質的異常、減少で起き、障害された血管の内壁への血小板が粘着、凝集する能力が低下して起きる出血しやすくなる病気です。フォン・ヴィレブランド因子は第12番染色体上にあり、遺伝子の欠損、遺伝子の挿入、遺伝子の変異などが原因でフォン・ヴィレブランドが誘発されるようです。
フォン・ヴィレブランド病はその原因によって三種類に分類できます。遺伝子の量的異常を要因とするものをI型、遺伝子の質的異常を要因とするものをII型、そして遺伝子が全く生成されず体内に完全に欠如しているものはIII型として分類されます。
人間は、外傷などの要因によって出血が起こった場合は、血小板が生成され傷口を塞ぐことで止血・治癒を自然と行う身体の仕組みがありますが、フォン・ヴィレブランド病の場合はその血小板がうまく血管にくっついて固まれないために、様々な血液障害がおこるのです。

フォン・ヴィレブランド病の治療法

フォン・ヴィレブランド病自体は先天的な遺伝子異常であるため、病気の発生そのものを予防することは現代医学では難しいと言われています。
そのため、現段階で最大限にできる予防策としては、フォン・ヴィレブランド病患者にとって最も危険な状態をもたらしかねない、「出血」を予防することでしょう。重度のフォン・ヴィレブランド病患者の場合、体を少しどこかにぶつけただけでも体内で内出血が起こり、それらが止まらず体内を圧迫することで様々な障害が起こることがあります。最悪の場合心不全や脳梗塞なども起こりかねません。そのため出血には最大限の注意が必要です。専門医にもしもの時のための対処法をよく聞いておくことも大事です。