メタノール中毒の症状

メタノール中毒の症状は、初期においては飲酒(エチルアルコールの摂取)した場合と同様に、酩酊状態に陥ります。
しかし、半日から1日の経過した後に、頭痛や吐き気、腹痛や嘔吐といった症状を呈するようになります。

また、メタノール摂取後1週間以内に視神経萎縮による視野狭窄といった視力障害が生じるため、注意して経過観察する必要があります。

大量にメタノールを摂取した場合には、身体の酸塩基平衡が乱れ、循環器系の障害や痙攣、呼吸の麻痺など生命の危険を及ぼす場合もあります。

メタノール中毒の原因

メタノール中毒が生じる原因としては、体内に吸収された後のメタノールの代謝があります。

エタノールの場合であれば、体内ので解毒作用により、アセトアルデヒドから無害な酢酸に分解されていきます。
しかし、メタノールの場合には、ホルムアルデヒドから有害な蟻酸に分解されてしまいます。

蟻酸が体内に蓄積されることにより、視神経へのダメージや酸塩基平衡を乱すなどの身体に悪影響を及ぼします。

メタノールを体内に吸収する原因としては、お酒と誤ってメタノールを服用する、メタノールを扱っている場所でガスとして吸引する、自殺目的で摂取するなどがあります。

メタノール中毒の治療法

メタノール中毒の治療として、万が一メタノールが体内に入り、中毒症状が生じた場合は、胃洗浄や点滴などによって体内のメタノールをできるだけ排出する必要があります。
また、酸塩基平衡が乱れによる代謝性アシドーシスを補正することが、視神経へのダメージや生命の危険リスクをさげることにつながります。