血友病性関節症とは
血友病性関節症とは、遺伝病である血友病によって関節内に出血がおこることで引き起こされる炎症のことです。出血を繰り返すことによって関節に変形や機能障害が起こることもあるので注意が必要です。 血友病性関節症の症状は、主に幼児期や小学校から中学校にかけての期間にある血友病患者に多く見られるのが特徴です。
血友病性関節症の症状
血友病性関節症の症状としては、まず関節や筋肉に血液が大量に溜まることによる関節の腫れや破壊が挙げられます。関節が破壊されてしまうと骨と骨の間に隙間がなくなってしまうため、激しい痛みを感じるとともに、膝や肘を上手く曲げたり伸ばしたりすることが難しくなります。また、血がたまっている箇所が腫れて瘤のようになってしまう場合もあります。血友病性関節症が起こりやすい箇所は、足や肘・膝の関節です。特に足首は歩行の際の負担などによって出血が簡単に引き起こされてしまうため、注意が必要です。また、股関節や肩関節などにもしばしば関節症の症状が現れることがあります。関節が破壊され、動きが制限されてしまうことは日常生活においても、立ち上がるのが困難になったり、物を握れなくなったり、歩行が難しくなったりと様々な支障を及ぼします。
血友病性関節症の原因
血友病性関節症の原因は、度重なる出血によって関節内に鉄がこびりつき、刺激を与えてしまうことだと言われていますが、出血の回数と出血の程度の関連性など、未だに明らかにされていない部分もあります。また、血友病性関節症を引き起こす根本の疾患となる血友病は、遺伝子の劣性遺伝によって起こる遺伝病です。血液中にある、血を固める働きを担うたんぱく質が、遺伝によって先天的に欠乏または不足してしまっているために、血が止まりにくいという性質が現れるのが特徴です。
この、血友病本来の性質である「血が止まりにくい」という症状によって、健康な人であれば問題ないはずのわずかな衝撃による関節の出血が、止血されることなく繰り返されてしまいます。そのため血友病性関節症が引き起こされるのです。
血友病性関節症の治療法
血友病自体は遺伝病ですので、根本的に病気を防ぐ方法はありません。早期発見や、病状のコントロールが大切になります。血友病性関節症の予防策としては、まず第一に出血が起こらないように、なるべく体に衝撃を与えないことが大切です。もし万が一出血が起こってしまった場合は、すぐに患部を圧迫して止血を行うとともに、冷却・挙上によって症状を和らげる必要があります。また、出血した血液が関節内に大量に溜まってしまう前に、早急に製剤の投与を行って出血を止めることが結果として血友病性関節症の予防につながります。
また、関節の違和感や腫れ・痛みなどが見られた場合は、放置せずに早目に医療機関を受診して指示を仰ぐことも大切です。
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