気管支嚢胞とは
気管支嚢胞は、胎児の時に気管や気管支の発達に異常が生じて発生する先天的な病気です。気管支粘膜で覆われている薄い壁を持つ嚢胞が縦隔または肺内に発生します。縦隔に発生するものは、縦隔腫瘍という別名で扱われます。上肺野から始まったり、嚢胞の内容は液体のことが多く、自然気胸の原因になります。
気管支嚢胞の症状
気管支嚢胞は、感染を起こさない限りは無症状のことも多いです。嚢胞壁に腺組織があるため、嚢胞内に液体が溜まっていきます。症状は年齢、のう胞の部位、気管支との交通の有無などにより異なります。
嚢胞に何かしらの菌が感染を起こすと、発熱や膿性痰、喀血や血痰などが見られたり、食べ物が飲み込みづらくなったり、縦隔に発生して気道を圧迫すると、呼吸時にヒューヒューというような音を出す喘鳴や呼吸困難を起こします。気胸や、重度の場合、無気肺を起こすこともあります。
X線検査やCT検査などで疾患を疑われますが、確定が難しく、多くの場合は手術で切除することで初めて診断が確定します。
進行性のものは、チェックバルブという吸気は入るが呼気は出ないという現象が働き、X線像では正常の肺が圧迫されて無くなっているように見えることがあります。
気管支嚢胞の原因
気管支嚢胞は先天性に起因するものが大半となりますが、まれに後天性のものもあります。胎生期に気管支が気道と食道に分離する際にその一部が遊離、そのまま発育して生じることが原因とされています。3分の2が縦隔内、残り3分の1は肺実質内に生じます。嚢胞が肺の中に生じたケースでは特に下葉に多く認められます。肺を始め、心臓、胸膜、心膜、横隔膜、食道において障害を招くことが多いです。これは発生異常に起因する疾患であるためです。
嚢胞は粘液を含み、繊毛円柱、立法上皮にて形成され、軟骨や平滑筋、弾性組織や粘液腺を含む正常気管支と同様の組織で作られています。
嚢胞が肺の中に生じたケースでは、気管支系と交通があることが多いです。
気管支嚢胞の治療法
気管支嚢胞は先天的なものがほとんどであるため、予防は困難ですが、検診などを受けることではやめに発見することができます。治療は切除が原則です。
嚢胞の切除手術を受けたあとは、抗生物質を服用することにより感染症を予防することが大切です。
この切除手術を受けることで、嚢胞に溜まった液を完全に抜き取ることが出来るため、吐血や呼吸困難を効果的に治すことができます。
また患者が喫煙者の場合、喫煙をすることで感染・症状悪化する可能性があるため、禁煙をすることも重要な予防法です。
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