下垂体炎とは
ホルモンの働きをコントロールしている脳下垂体から何らかの原因でホルモンがでなくなる、減少する病気が下垂体炎です。下垂体腫瘍、胚細胞腫瘍などの腫瘍性疾患によるものが多くみられます。自己免責性下垂体炎、リンパ球性下垂体炎などは女性に多く妊娠や出産後に発症することが多く見られます。
下垂体炎の症状
下垂体の分泌ホルモンの異常によるのが下垂体炎です。下垂体は甲状腺、副腎、性腺などの働きを調節するホルモンを分泌しているため、この機能が低下すると様々な症状をもたらすことになります。低血糖、意識不明、体重減少、脱力、だるさ、うつ、筋力低下、食欲不振などがあげられます。リンパ球性下垂体炎は妊娠や分娩の際に発症することで知られていますが、自己免疫機能が低下することにより頭痛、視野障害、乳汁分泌などの症状を引き起こすと言われており、下垂体腫瘍との鑑別が難しいとされています。下垂体の機能が低下したり消失したりすると生命に重大な影響を及ぼします。若い人で無症状の場合にも罹患している可能性が有りますので脳ドックを受診することがおすすめです。
下垂体炎の原因
下垂体は内分泌腺でホルモンを血液中に送り出しています。脳の視床下部から命令を受け、副腎皮質、甲状腺、膵臓、卵巣、精巣、骨。筋肉などを刺激しています。下垂体の疾患には血管障害、循環障害、炎症、腫瘍などがあり、下垂体炎の原因は自己免疫性の疾患といわれていますが正確にはわかっていません。炎症にあたるものはリンパ球性下垂体炎が該当し、妊娠や出産で免疫性疾患が生じると考えられています。下垂体に腫瘍は認められないが、腫れや壊死などの異常を認められることが原因とされています。出産時に大出血を起こした場合に罹患する可能性があるとされています。炎症を抑制する方法で治療をすることになりますが、自己免疫反応がアレルギーの一種であることからアレルゲンの原因を特定しなければならないことになり、治療法の確立も難しいのが現状です。
下垂体炎の治療法
下垂体炎は内分泌専門医でないと疾患に気がつかない場合が多いので、内科なら専門医、腫瘍なら脳外科医を受診することになります。予防的措置としては生活習慣の改善など消極的な方法しかありません。しかし結核などの炎症性疾患にかからないようにうがいや手洗いを徹底すること、頭部外傷により手術を受けた場合には二次感染を防ぐこと、全身の痛みやめまい、倦怠感などがあった場合には早めに専門医に相談することなどがあげられます。下垂体炎は血液検査でも診断できるようになりましたが、鼻や口から下垂体の一部を採取する生体検査が確実です。低血糖などの症状の場合は消化器系の専門医にかかることが多くなりますが、脳下垂体のホルモン異常を疑ってみることも大切になります。
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