カラアザールの症状

カラアザールによる症状としては、肝臓や脾臓などの臓器が大きくなり、リンパ節腫大、腹部が膨満してくるといった病状が見られます。また、貧血を起こすようになり、皮膚は乾燥して変色します。
カラアザールは、病原虫に感染してからおよそ2ヶ月から4ヶ月に渡る潜伏期間を経て発症する傾向にあります。この病気の症状がさらに進行した場合には、全身に深刻な状況をもたらします。肺炎といった感染症を併発するようになり死ぬこともあります。病原虫であるリーシュマニアを媒介するスナバエやサシチョウバエなどに刺された場合には、発熱などを伴うこともあります。そのため、カラアザールに感染する可能性がある地域に渡航した場合には、特に病状に注意を払う必要があります。

カラアザールの原因

カラアザールが起こる原因は、リーシュマニアという病原体への感染があります。サシチョウバエなどを媒介として、肌を刺されることにより体内に侵入します。海外の発展途上国を中心として、リーシュマニアへの感染例が多いです。リーシュマニアが体内に侵入すると、マクロファージなどの細網内皮系細胞を侵食し、分裂や増殖を始めます。その結果、臓器の増大や免疫の不全などを引き起こします。
日本には、リーシュマニアの原虫を媒介するサシチョウバエなどの昆虫がいないため、発症の例はありません。しかしながら、海外への渡航中に感染する機会はあります。カラアザールの病気を引き起こすリーシュマニアには複数の種類があり、どの病原虫に感染するかによって病状も異なります。

カラアザールの治療法

カラアザールに対する予防の方法としては、病原虫を媒介する昆虫に刺されないことが大切です。また、感染の恐れがある地域への渡航については、できる限り避けるといった方法も効果があります。カラアザールに対しての有効な治療方法は存在していないため、一般的にな対処療法が行われます。アンチモン剤などの投与などの薬剤を投与する事があるものの、副作用が強い傾向にあります。
もし、感染する可能性がある地域で虫に刺された場合には、カラアザールに感染していないかどうかのチェックを行う事も、早期に発見するための有効な方法です。