症状

慢性剥離性歯肉炎は女性に多い歯肉炎であり、その症状は年代によって異なる場合が多いです。
10代から20代の女性に多く見られる慢性剥離性歯肉炎は軽傷であり、痛みもなく歯茎が赤くなります。
30代から40代の女性の場合は、歯茎に赤や灰白色の病変が起こり、ひりひりした感覚や水泡などの症状が表れます。
閉経前の更年期の女性の場合は、腫れや出血が見られ、感覚が過敏になり食事も思うように食べられなくなります。また歯ブラシが当たっても痛いために、歯磨きができなくなり、これらの症状は慢性化して再発を繰り返すようになります。重症の慢性剥離性歯肉炎の場合は、唇や頬の外側の歯肉に多く見られ、赤いびらん面が露出してきます。

原因

慢性剥離性歯肉炎の原因としては、明らかにはされていませんが、女性に多い病気であり更年期時期に症状がひどいケースが多いことから、女性ホルモンが関係していると言われています。
女性ホルモンが乱れたり、精神的ストレスや免疫の低下などから、こうした歯肉炎の症状が起こるのではないかとされています。更年期障害の症状のひとつであるという捉え方もあります。
また、自己免疫疾患に含まれる場合や、水疱性粘膜疾患や尋常性天疱瘡などの皮膚病として治療する場合もあります。皮膚病が口の中にできたとされる場合には、皮膚科での治療になります。
症状によって見解も治療も変わってくるので、病院を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。

治療法

慢性剥離性歯肉炎の予防として、女性はまず規則正しい生活をして女性ホルモンが正常に働くように心がけることが大切です。偏った食生活や寝不足、ストレスなどはホルモンの分泌を抑制してホルモンバランスも乱れてしまいます。
バランスの良い食事や適度な運動、質の良い睡眠を取ることが、慢性剥離性歯肉炎の予防にもつながります。
また更年期に入った女性は、定期的に口腔の検査も受けるようにすることで、早期発見につながり症状が悪化することを予防できます。
毎日の歯磨きは、歯茎に負担のかからないブラシで、丁寧に正しい方法で行い、口内を清潔に保ちましょう。