修正大血管転位症とは
体内に存在する大血管の位置が転移しただけでなく、心房や心室など心臓の各組織の位置関係も全く逆の状態になっている症状のことを修正大血管転位症といいます。端的に表現すれば、本来であれば右心房と右心室が大動脈側と同じ位置に並んでいるべきが、この位置関係が全く逆の形になっている状態のことを表します。 非常に稀な先天的心疾患の一つであり、全体の約1%程度の発症率という希有な症状です。
修正大血管転位症の症状
修正大血管転位症によって併発する各所症状については様々なものがこれに該当します。まず、最も代表的な症状となるのが、心雑音です。心電図や聴診器を用いた検査を行うことでこの症状がほぼ確実に確認することが可能です。このため、心電図などを用いた際に心雑音が常時確認できるようであれば、修正大血管転位症を疑う必要があります。また、病状の程度によってはチアノーゼを発症する危険性もあります。反面、修正大血管転位症を発症していたとしても、必ずしも何らかの減少が現れるというわけではなく、合併心奇形がない場合は血行動態の観点からも正常と認められています。ただし、手術などによる治療を行わずこのままの状態を放置しておくと、心臓に対する負担の増加から、将来的には三尖弁の逆流現象や心不全へと至る危険性がある為、早急な対策が必須です。
修正大血管転位症の原因
修正大血管転位症が発症する原因としては、先天的な奇形といわれています。具体的な症状の進行具合とその原因についてはいまだ不明な点が多い反面、この症状を発症する患者のほぼ全てが、先天的な奇形と認められています。特に、心臓は本来であれば1本の管が右から折れ曲がったような形状で作られているのですが、それが何らかの要因や外的な作用によって、右側ではなく左側から折れ曲がった状態で心臓が形成されることによって修正大血管転位症へと進展するのではないかとされています。
ただし、血行に関する動態については一見すると健常な身体と遜色ないため、普段の生活の中では症状の発症自体気づくことがありません。
修正大血管転位症の治療法
修正大血管転位症の具体的な予防法については、未だ的確なものはありません。その理由としては、まずこの症状自体が生まれ持って登場する症状であることが理由です。いわば、奇形の一種として判断されていることから、心電図等を使った心検査によって症状の存在が認められた場合、手術などを通じた外科的療法(ラステリー手術や弁形成術や弁置換術、ジャテネ手術など)によって治療を行うことが原則です。効果的な予防法はありません。
ただし、出産前検査によって胎児の心活動に何らかの異常があった場合、修正大血管転位症が原因となっている場合があるため、この段階で症状自体の存在を確認することは可能です。
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