肺胞微石症とは
肺胞微石症とは肺胞内にリン酸カルシウム成分とする細かい結石が沈着する病気で、日本ではこれまで100例程の症例があります。 肺胞微石症は遺伝性疾患で常染色体劣性遺伝の形をとり、子供の頃は症状がなく徐々に労作時の呼吸困難などが出現するといわれています。
肺胞微石症の症状
肺胞微石症の症状は、進行が遅く無症状なので日常の健診によって発見されることが多いです。大抵の場合は長期間症状を示さない場合が多いですが、進行することによって咳や息苦しさを発生する呼吸不全になります。肺胞微石症はほとんどの場合変調をきたすことがないのですが、この病気が急激に進行してしまった場合は気胸や感染症合併等の重篤な疾患を起こす場合があります。
肺胞微石症の治療方法は、カルシウム塩を除去するような根本的な治療法はまだ確立されていないので、肺移植しか方法がありません。肺移植以外では咳が出たときに止めるというような対症療法しかありません。そしてなるべく風邪をひかないように注意し風邪をひいてしまっても十分休養する必要があります。
肺胞微石症の原因
肺胞微石症の原因は不明なのですが、約半数の症例が家族内発症であり、この場合は常染色体劣性遺伝と推定されます。また肺胞微石症は、肺胞の中にカルシウム塩が蓄積することによって起きますが、肺胞内のリンイオン除去障害が微石ができる原因と考えられています。またカルシウム塩は蓄積されていっても初期の頃にはほとんど自覚症状がないのが特徴となっています。
したがって肺胞微石症は幼少の頃から徐々に始まり、大人になってからはっきりした異常としてあらわれるのが一般的となっています。
肺胞微石症の治療法
肺胞微石症の予防法は原因が不明なのでまだ確立されていないのが現状です。肺胞微石症の検査と診断方法は、健康診断等の胸部X線で肺全体が白くすりガラスのように濁ってみえる吹雪模様の所見がみられるので診断は容易です。
そしてX線検査で肺全体が白くすりガラスのような状態がみられた場合は、経気管支肺生検、開胸肺生検という検査で肺組織を少し採取し顕微鏡で観察することで肺胞にカルシウム塩の層状の沈着があるかないかをみて肺胞微石症であるかどうか確定します。
家族内発症の常染色体劣性遺伝の場合は、遺伝子検査を行うことも有効です。
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