膀胱頸部硬化症の症状

膀胱頸部硬化症を発症すると膀胱頸部の膀胱壁が厚く硬くなってしまうため、開きにくくなってしまいます。その結果、頻尿や残尿感といった前立腺肥大症に類似する排尿障害特有の症状が現れるようになり、尿が出始めるまでにかかる時間、あるいは完全に尿を出し切るまでにかかる時間がのびるようになります。しかし、患者の個人差や症状の重症度に限らず、尿そのものが完全に出なくなることは基本的なく、極稀とされています。

また、細菌に感染している場合は、血尿が出るようになります。

基本的には男性が発症する病気とされていますが、慢性膀胱頸部炎なの発症に伴い膀胱頸部に慢性的な刺激が加わり、女性にも同様の症状が現れる場合があります。

膀胱頸部硬化症の原因

膀胱頸部硬化症が発症にいたる原因が膀胱頸部の硬直化であることはわかっています。しかし、その一方で膀胱頸部が硬直化する原因は現在でも解明されておらず、多数の説が挙げられています。一つは先天的な筋肉の発生発育障害によるものとする説。もう一つは加齢・炎症など後天的要因に起因するという説です。これら二つの説は膀胱頸部硬化症の発症にいたる原因の代表的な説となっています。

また、膀胱頸部硬化症は前立腺手術を受けた後に発症することがありますが、こちらの誘発的な仕組みも現在のところわかっておらず、手術を受けたこと起因しているのか、それとも前立腺がんや前立腺肥大症を発症したことが関係しているのか、その辺りの把握もされていないのが現状です。

膀胱頸部硬化症の治療法

膀胱頸部硬化症の発症にいたる原因が解明されていない以上、明確な予防法は確立されていないのが現状です。そのため、大抵の場合は膀胱頸部硬化症を発症した後の治療が、基本的な対応となります。
膀胱頸部硬化症は膀胱造影検査や膀胱鏡検査等を受けることで発見することができます。しかし、同検査によって適切に診断されたからといってすぐに発症を断定するこができず、その前に前立腺肥大症や前立腺がんといった類似的な症状が現れる病気との違いを明確化する必要があります。発症の確認後は、保存療法と手術療法を用いて、硬くなった膀胱の頸部を広げていくことになります。