サル痘の症状

サル痘の症状は、現在は撲滅されている天然痘の症状によく似ています。

人におけるサル痘の潜伏期間は7~21日で平均12日です。最初の症状は一般的には発熱、不快感、頭痛、疲労感、背部痛、筋肉痛、リンパ節の腫れなどが起こります。頸部や鼠蹊部のリンパ節の腫れが目立つ点が天然痘との違いです。発症して約1~3日後に発疹が全身に現れます。最初は赤く平たい発疹ですが後に盛り上がってきます。その盛り上がった発疹は最初は水を持ったような発疹ですが、しだいに膿を持つようになりかさぶたになります。その後2~4週間後にはかさぶたが剥がれ落ちていきます。

致死率は、アフリカでの流行では1~10%と報告があり、アメリカでの流行では死亡例は報告されていません。

サル痘の原因

原因であるポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルの自然宿主はアフリカの齧歯目のサバンナオニネズミやアフリカヤマネ、ロープリスなどです。感染動物から人への感染経路は、感染動物に咬まれるや感染動物の血液・体液・皮膚病変との接触により感染します。人から人への感染経路は、患者の飛沫・体液・皮膚病変との接触により感染します。
アフリカでのサル痘の発症は1997年までの統計で合計511名に及びました。当初は人から人への感染は少ないと思われていましたが、1996年に人から人への感染によるものとみられる71例が報告されました。2003年のアメリカでの流行では、ガーナから輸入されたサバンナオニネズミとアフリカヤマネがプレーリードックに感染させ、感受性の高いプレーリードックはウイルスが増幅され発症しペットとして飼育していた飼い主に感染しました。

サル痘の治療法

日本では現在、動物由来感染症予防として齧歯目はサル痘、ペスト、ラッサ熱、腎症候性出血熱、野兎病、レプトスピラ症などの媒介動物とされており野生の齧歯目は輸入禁止になっています。実験動物やペット用などの齧歯目は衛生管理下で繁殖されており輸入国の証明書提出で感染症の予防対策を強化しています。
感染が発生した場合では、人から人の感染を避けるために患者の世話をするときには手袋やマスクを使用します。そして必ず手洗いを行い感染のリスクを減らします。
また、サル痘には天然痘の予防接種で使用された種痘と呼ばれるワクチンが有効です。
治療は、各種症状に対して処置が行われます。