膵石症の症状

典型的な症状として、食後や飲酒後に、お腹や背中の痛みとして現れます。
お腹の痛みは持続的な痛みとして感じる事が多く、前かがみの姿勢をとると痛みが和らぐことが多いため、腹痛の強い際には、独特の前屈みの姿勢をとるのも特徴とされています。
その他嘔吐、吐き気、食欲不振、体重減少があります。
慢性膵炎において、下痢、嘔吐等を繰り返すとされる代償期に、膵石症の症状がでるといわれています。





 

膵石症の原因

膵石症の原因は、膵液がうっ滞したり、膵液の性状変化により、結晶となって出てきた膵液中のたんぱく質に、カルシウムが沈着することで膵石が作られることによるとされています。膵石が形成されるのは、低栄養、アルコールの過剰摂取、膵管奇形、副甲状腺機能亢進症等の高カルシウム血症、特発性の膵炎等が原因となることが多いようです。アルコール性のものが約7割、特発性のものが約2割とされています。
膵石は、原因となるものによって、大きさ、分布の仕方が異なります。アルコールの過剰摂取による膵石症は、広範囲に比較的小さい膵石が見られることが多く、特発性膵炎による膵石症は、大きい膵石が限定された部位に発見されることが多いとされています。

膵石症の治療法

膵石症の予防は、慢性膵炎の既往症がある人にとって、日常生活の改善が求められます。
慢性膵炎は、一度罹患してしまうと、症状を改善させるのが難しく、症状を悪化させないことが大切です。
アルコールを断つ、良質とされるたんぱく質を積極的に摂る、暴飲暴食をせずに、腹6分目から8分目位の食事量にする、刺激物をなるべく控える、脂肪を控える、禁煙する、ストレスを溜めないようにする等が大切であるとされています。アルコールや消化するのに時間がかかる脂肪は、膵臓にとって刺激となり、負担がかかる為、良くないとされています。

治療の基本は、予防と同様の禁酒と食事療法です。そして薬物療法を行い、それでも症状が良くない場合は、以下の治療が検討されます。
・体外衝撃波結石破砕療法(たいがいしょうげきはけっせきはさいりょうほう)
・内視鏡による治療
・外科的手術療法