先天性QT延長症候群の症状

先天性QT延長症候群による症状には、立ちくらみや動悸、さらに失神の発作や痙攣などがあります。これらの発作が起こるのはごく短時間であるものの、もし長時間に渡る場合には生命に関わる危険性があります。また、手足の脱力感や、体の奇形といった病状が起こることも見られます。先天的に耳に障害を持っていることも傾向として多いです。
一般的に先天性QT延長症候群の病状は、男性であれば小児期、女性の場合には10代から20代の間に発病することが多い傾向にあります。基本的には、全年齢を通して発病する可能性はあります。この病気が発症するきっかけとして、精神的な強い興奮やあるいは激しい運動が引き金となるケースが認められています。

先天性QT延長症候群の原因

先天性QT延長症候群が起きる原因としては、心筋細胞の異常により心臓の筋肉が正常に動作しなくなることがあります。心臓は、体内に血液を流すために、常に伸縮を繰り返しています。しかし、先天性QT延長症候群では、収縮した後の心臓の動きが滞り心筋の細胞が過敏になり、不整脈の発作を起こします。

問題となる遺伝子はいくつかが特定され、原因となっている遺伝子の異常によって、不整脈や失神の発作にも異なる傾向があります。また、治療に用いる薬についても、遺伝子の違いによって効果がある薬剤を選ぶ必要があります。このことから、患者の遺伝子診断を行う事により、病気の治療や生活の質の向上のために役立てられる可能性が高いです。

先天性QT延長症候群の治療法

先天性QT延長症候群の予防方法としては、不整脈や失神などの発作を抑制するための対処を行う事が有効です。日常生活で遭遇する発作の原因をできるだけ予測し避けることで、発作が生じることを予防することが可能です。精神的な興奮を抑えたり、また激しい運動をできるだけ避けるといった対処の方法が役立ちます。
また、薬剤による発作の抑制方法として、ベータ遮断薬や抗不整脈薬を用いる手段があります。しかしながら、遺伝子の異常に起因する心臓の病気であることから、この病気に対する根本的な治療方法については判明していません。