耳硬化症とは
内耳を守るための内耳骨包と鐙骨と呼ばれる最も体で一番小さな骨に異常が起こり、伝音難聴の症状が出る病気を耳硬化症と言います。耳硬化症は欧米人に多く、日本人にはめずらしい症状です。原因ははっきりせず、聴力を改善するために手術を行います。
耳硬化症の症状
耳硬化症は、どちらかというと女性に多く発症しています。先ず、両側の耳が難聴になり聞こえにくくなります。賑やかな環境の方が聞き取りやすいこともあります。程度はひとそれぞれですが、耳が詰まった様な感覚も出てきます。症状が進行するにつれて、耳詰まりの感覚も強くなります。さらに耳鳴りがする場合もあります。日本人よりも白人に発症しやすい病気で、欧米では遺伝性も多くありますが、日本人の場合は遺伝で発症する例は少ないようです。耳硬化症は手術によりほとんど改善されますが、あまりポピュラーな疾患ではないので、知識と経験のある耳鼻科を選ぶことが大事です。
耳硬化症の原因
耳硬化症の原因はまだ解明されていません。一般的には遺伝的な素因が関係していると言われています。また、骨の成分として大切なコラーゲン遺伝子に原因があるのではないかという説もあります。あるいは女性ホルモンの関連や麻疹の潜伏感染などが引き起こすとも言われています。上記の様な何らかの原因で耳の一番奥にあるアブミ骨と周辺の骨が少しずつ固まってしまうことで、音を伝えるためにふわふわと動いていた耳小骨が動かなくなってしまい、音が伝わりにくい伝音性難聴になってしまいます。
鼓膜は正常で、耳の痛みなどもないため誤診されてしまうこともあるので、気になる場合は専門医のいる医療機関での受診が必要です。
耳硬化症の治療法
耳硬化症の原因が明確でないため、確実な予防法はありません。また、日本での罹患率も多くないため見過ごされてしまう場合もあります。手術で治るケースが多いので、聞こえにくくなる、耳鳴りや目眩がするなどの気になる症状がある場合、さらに両側の耳に症状が現れている場合などは、多くの症例を扱っている医療機関での受診が大切です。手術の場合、硬くなってしまったアブミ骨を摘出し、代用のアブミ骨を移植することで聞こえやすくなり、水泳なども楽しむことができます。
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