膵嚢胞の症状

膵嚢胞には仮性膵嚢胞と真性膵嚢胞に分けられ、仮性膵嚢胞は膵炎や外傷などによりできる膵嚢胞で、良性のものが多い嚢胞です。真性膵嚢胞の場合は、遺伝などでできる先天性のものと腫瘍性のものに分けられます。痛みなどの症状がないため、検査画像で偶然に発見される病気です。
  
腫瘍性のものは袋の内部に粘性液が溜まるもので、良性の場合もありますが、悪性腫瘍の場合はいずれがんになることが多く治療が必要になります。症状は背中を押すと痛みを感じる程度ですが、がんまでに発展すると吐き気などの症状が現れます。仮性膵嚢胞は痛みの自覚症状がないため放置してしまいがちですが、定期の経過観察で症状の変化を確認することが重要です。

膵嚢胞の原因

仮性膵嚢胞の原因は膵臓の炎症や外傷ですが、真性膵嚢胞は遺伝になどによる先天性に原因があります。腫瘍性の場合は、原因としては良く分かっていませんが、膵嚢胞内の細胞の変化などにより悪性に変わっていきます。膵炎は生活習慣やタバコやアルコールが原因に挙げられますので、膵炎が原因でできる膵嚢胞もこれらが原因の一つと考えられます。
  
良性と判断された嚢胞でもその後の経過観察を怠ると、悪性になって気付く場合があり、定期の経過観察を怠ることも悪化の要因といえます。悪性への変化はゆっくりですので、経過をみながら処置が必要と判断されたときにきちんと処置を行えば、特に心配することはありません。

膵嚢胞の治療法

膵嚢胞の予防は、膵炎の要因でもある生活習慣の改善やタバコなどを控えることが大切です。定期の健康診断することも重要な予防対策で、検査画像から膵嚢胞の多くが偶然発見されることから、健康診断で発見されやすくなるのに加え、病気ではないという安心にもなります。
  
また幸いにも検査で膵嚢胞が分かった時点で、定期に経過を観察することにより、悪くなる嚢胞を監視でき予防ともいえます。膵嚢胞は膵臓がんの要因でもあるため、膵嚢胞の予防・監視は、膵臓の病気をいち早く発見できる予防の一つです。