成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症とは
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症は成長ホルモンの分泌が少ないために起こる疾患です。成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、骨や筋肉の成長を促進します。成長ホルモンの分泌が少ないと、成長率が悪くなり低身長などの症状が見られるようになります。
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症の症状
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症の症状は幼児期から現れ始めます。出生時の体重は正常ですが、次第に成長は遅れていきます。比率としては女児よりも男児に多く見られます。身長が低く、性的成熟も遅れます。また骨の成熟を表す骨年齢も著しく遅れるのが特徴です。大人になっても、声や顔立ちが子どものような様相を呈するのも特徴です。体格の均整は取れており、知能も正常です。
先天的な成長ホルモン分泌不全で、それが重症の場合は新生児期に低血糖になるケースもあります。また、ほかのホルモン分泌不全を伴うこともあり、その場合は甲状腺機能低下症や副腎機能低下症などさまざまな疾患が併発することもあります。
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症の原因
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症の原因は、原因不明のものと後天性のものとがあります。原因不明は全体の3分の2を占めており、残りの3分の1が後天的な要因によるものです。原因不明は周産期の下垂体切断や、下垂体低形成などの可能性が考えられますが、原因は定かではなく特発性と呼ばれています。また後天性の原因としては頭蓋咽頭腫をはじめとする脳腫瘍が挙げられます。ごくまれに、遺伝性の原因で発症する場合もあります。いずれの場合も早期発見が重要で、治療によって、ある程度まで身長を伸ばすことが可能です。
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症の治療法
成長ホルモン分泌不全性低身長症/下垂体性小人症は原因不明のものが多く、予防することが難しい疾患です。身長が低いと感じたら、定期的な身長測定を行い、グラフに記録し、伸び率を把握しましょう。成長曲線と比べて、明らかに伸び率に問題がある場合は、専門医で検査を受けましょう。身長の評価にはSDと呼ばれる標準偏差を用います。同性、同年齢の標準偏差と比較し、マイナス2SD以下の場合、低身長と診断されます。治療法は、ヒト成長ホルモンや不足しているホルモンを投与することで、成長の促進を図ります。
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