ランゲルハンス細胞組織球症とは
ランゲルハンス細胞組織球症は、表皮に存在するランゲルハンス細胞という樹状(免疫)細胞が異常増殖する疾患の総称です。
ランゲルハンス細胞とは
免疫に関係する細胞の一つです。ランゲルハンスは発見者であるドイツ人医師の名前です。ランゲルハンス細胞は血液の工場である骨髄で作られ、もともとは血液中を流れる白血球の仲間ですが、全身の様々な部位に存在し、体内に入ってきた異物を処理し、他の免疫細胞と連携して免疫機能の維持に役立っています。異物が入ってきやすい部位に多いので、皮膚や気道に多くいますが、免疫に重要な臓器である脾臓やリンパ節にもいますし、骨・肝臓・脳 などにもいます。細胞が秩序を失って増えすぎるという点では、がん(悪性腫瘍)に似た病気と言えます。
実際、ランゲルハンス細胞組織球症の患者ががんを発症することもあると言われていますが、ランゲルハンス細胞組織球症自体はがんほどの悪性さはないと考えられ、「炎症性骨髄腫瘍」というカテゴリーの病気としてとらえられています。
ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis: LCH)とは?
ランゲルハンス細胞に限らず体内のすべての正常な細胞は、必要以上にやたらと増えず、必要なくなったり機能がおとろえたら死ぬように、秩序だって存在しています。しかしこの秩序が崩れ、やたらとランゲルハンス細胞が増えてしまうのが、ランゲルハンス細胞組織球症です。その原因は、細胞の増殖を制御する信号をつかさどる遺伝子の異常と考えられていますが、なぜこの遺伝子の異常が起こるのかはよく分かっていません。原因不明の病気と言えます。幼い子供でも大人でも見られる病気です。
細胞が秩序を失って増えすぎるという点では、がん(悪性腫瘍)に似た病気と言えます。実際、ランゲルハンス細胞組織球症の患者ががんを発症することもあると言われていますが、ランゲルハンス細胞組織球症自体はがんほどの悪性さはないと考えられています。
ランゲルハンス細胞組織球症は、以前は「好酸球性肉芽腫症」「ハンド・シューラー・クリスチャン病」「レテラー・ジーベ病」「ヒスチオサイトーシスX」と呼ばれていましたが、現在ではまとめて一つの病気ととらえられています。
ランゲルハンス細胞組織球症の症状
ランゲルハンス細胞は多様な臓器に存在するため、全身の多様な臓器に様々な症状が現れ、個人差も大きいです。そのため診断が難しい場合があります。代表的な症状は以下のようなものです。皮膚の症状:皮膚に小さいぶつぶつができます。
骨の症状:骨の痛みや、骨が腫れて神経を押すことによる痛みが あります。骨が弱くなりレントゲンでは骨がぶち状に抜けて見えることがあります。
肺の症状:咳、息切れ、息苦しさがあり、レントゲンで異常が発見されます。
血液の症状:赤血球が減って貧血になったり、血小板が減って血が止まりにくくなります。
肝臓の症状:肝臓が腫れ、肝臓の機能が落ちます。
脾臓の症状:脾臓が腫れます。
検査
血液検査、全身のレントゲンなど画像検査、異常がある臓器の生検(一部を取ってきて顕微鏡で調べる)が行われます。治療法
どの臓器にどの程度の病変が見られるかによって治療方針は異なり、何もせずに様子を見る場合もあれば、がん患者さんに行うのと似た薬を使用することもあります。細胞が秩序を失って増えすぎるという点では、がん(悪性腫瘍)に似た病気と言えます。実際、ランゲルハンス細胞組織球症の患者ががんを発症することもあると言われていますが、ランゲルハンス細胞組織球症自体はがんほどの悪性さはないと考えられ、「炎症性骨髄腫瘍」というカテゴリーの病気としてとらえられています。
参考 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループWebサイト http://www.jlsg.jp/index.html
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