蛋白漏出性胃腸症の症状

蛋白漏出性胃腸症の症状は原因となる疾患により異なります。発症初期には低蛋白血症による浮腫が多く見られ、まれに浮腫が唯一の症状であることもあります。顔面や四肢などに限局性に現れるものから、高度な胸水や腹水を伴うものまでさまざまです。また、Trousseau徴候という手やChvostek徴候という顔に低カルシウム血症による特徴的な症状が見られることもあります。
  
リンパ系では乳び性胸水・腹水を生じ、消化器系では下痢、悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振などが見られ、小児では下痢を伴うことがあります。成長期に発症すると発育障害、けいれん発作、感覚異常、手足痙縮などを起こし重症化することもあるため注意が必要です。

蛋白漏出性胃腸症の原因

蛋白漏出性胃腸症は蛋白漏出のメカニズムにより「腸リンパ系異常」「毛細血管透過性亢進」「消化管粘膜上皮異常」に分けられます。
  
腸リンパ系異常では、腸リンパ管拡張症、収縮性心膜炎、リンパ管腫瘍、腸結核、クローン病などにより蛋白漏出を生じます。毛細血管透過性亢進では、アレルギー性胃腸症、リウマチ疾患、アミロイドーシスなどにより血管の透過性が亢進して蛋白が漏れ出ます。消化管粘膜上皮異常では、クローン病や潰瘍性大腸炎、消化管の悪性腫瘍、メネトリエ病などにより蛋白漏出を生じます。
  
上記3つが単独もしくは組み合わさり蛋白漏出が起こるとされています。

蛋白漏出性胃腸症の治療法

蛋白漏出性胃腸症の原因となる疾患は多岐にわたり予防はとても困難となるため、早期発見が重要になります。初期症状である浮腫が見られる場合は、自己判断せず早めに医師の診断を受けることが大切です。
  
特に成長期の子どもでは、発育障害など深刻な問題を生ずるケースもあるため注意しなければなりません。もしリンパ系の異常による蛋白漏出性胃腸症と診断された場合は、低脂肪・高蛋白の食事にするよう心がけることが必要です。