肛門狭窄の症状

肛門狭窄の典型的な症状として、肛門が狭くなることにより、便意があるにも関わらず便が出にくく、出る便が細いということが挙げられます。通常肛門の太さは、人差し指が入るほどの大きさで、麻酔がかかった状態では指が2本入ります。
  
肛門狭窄になると、分厚くなった皮膚に邪魔され、小指が入るのもやっとの状態になります。症状が進行すると、肛門ポリープや見張りイボが出てきますが、痛みを伴わないため、気づかないケースも少なくありません。さらに重度の肛門狭窄になると、排便が困難になり、手術が必要になります。部位が部位だけに受診することを躊躇しがちですが、軽度の場合、保存療法で症状改善が見込めます。

肛門狭窄の原因

肛門狭窄の原因の大半を占めているのは、切れ痔を繰り返すことによるものです。体の皮膚や粘膜にできた傷が治る時、傷口部分が収縮し、周囲の粘膜や皮膚を引っ張るという性質があります。この引きつれが筒状になっている肛門の粘膜で起こると、肛門の円周が短くなり狭くなってしまいます。その結果、肛門狭窄を引き起こしてしまうのです。
  
切れ痔以外でも、肛門部の感染症や痔瘻により生じる場合もあります。膿の管が周囲を取り囲むことで、肛門が狭くなってしまうために起こります。その他にも、下痢を繰り返すことにより炎症が起きている、大きな内痔核手術をした、手術の失敗が原因で起こる場合もあります。

肛門狭窄の治療法

肛門狭窄を予防するには、便秘に気をつけ、無理やり排便する状況を作らないことが大切です。便秘になると便が硬くなり、力んで排便することで肛門狭窄の原因となる切れ痔を引き起こします。
  
切れ痔を回避するためには、バナナや野菜など食物繊維を多く含んだ食材を摂る、トイレを我慢しないなどといった便秘対策が不可欠です。また、便秘が続き、排泄困難が予測され、肛門が切れそうな場合には、肛門の先を絞り、少しずつ排泄を心がけることで、切れ痔が予防でき、肛門狭窄発症リスクを軽減できます。