尿細管性アシドーシスの症状

尿細管性アシドーシスは、そのタイプにより3つ(I型、II型、IV型)に分類されます。I型は尿細管において水素イオンの分泌ができなくなり体液が酸性に傾くタイプ、II型は体液を中和する重炭酸が生成しにくくなることで酸性に傾くタイプ、IV型は腎臓でのホルモンのはたらきが正常ではなくなるタイプです。
  
I型、II型、IV型いずれも軽度であれば症状はありませんが、進行していくと、頭痛や吐き気、成長障害などさまざまな症状があらわれてきます。ひどくなると、I型、II型は低カリウム血症の症状として筋弛緩や麻痺が、IV型では高カリウム血症の症状として心臓性不整脈や麻痺が起こり、生命にかかわる場合もあります。

尿細管性アシドーシスの原因

尿細管性アシドーシスの原因は、多岐にわたっています。主に、何かしらの疾患に伴うもの、遺伝や遺伝性疾患に伴うもの、薬物の副作用などがあげられます。
  
発症の引き金となる疾患としては、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患やウィルソン病などの遺伝性疾患、低レニン血症性低アルドステロン症など多岐にわたります。なかには感染症や糖尿病から続発する場合もあります。
  
遺伝が原因の場合は、小児期に発症することが多いです。薬物の副作用では、アムホテリシンBやリチウム、アセタゾラミドなどさまざまな薬物があげられます。また、重金属が原因となる場合もあります。いずれにしても、原因となる疾患や物質は非常に多く複雑です。

尿細管性アシドーシスの治療法

尿検査などで異常が見つかった場合は、きちんと検査をするようにします。また、一般的な尿検査では異常が見つからない場合も少なくありません。気になる症状があるときは専門医に診てもらうようにします。
  
尿細管性アシドーシスは、非常に病態が複雑な病気です。そして、中長期的な対応が必要になります。そのため、症状に対し自己判断で対応するのは危険です。治療に関しては医師との信頼関係をしっかり築き、医師の指示に従うようにします。