免疫不全症候群の症状

免疫不全症候群は、なんらかの原因によって、感染症にかかりやすくなるため、症状としては、気管支炎や肺炎などが長引いたり、繰り返し感染したりするため、重症化しやすくなります。特に遺伝的要因による原発性免疫不全症候群では、生後半年位の乳幼児期から、感染症にかかりやすくなるため、常に何かの症状を伴っている場合があります。
  
さまざまな原因による後天性免疫不全症候群の代表的な病状としては、HIV感染が知られています。感染後に5年から10年続くといわれる無症状期に入るため、症状が現れず、健康に見えます。しかし、帯状疱疹を繰り返したり、慢性的な下痢や発熱、風邪に似た症状が続いたりする場合もあります。

免疫不全症候群の原因

免疫不全症候群は、原発性と後天性で原因が異なります。原発性免疫不全症候群は、遺伝的要素が原因であると考えられており、体を守るための免疫の遺伝子異常により発症します。家族の中の遺伝的要素が強い一方、家族の中に保因者がいない場合の症例も報告されています。
  
後天性免疫不全症候群に代表されるHIV感染の原因は、ヒト免疫不全ウイルスに感染されたヒトとヒトとの性行為や、血液を媒体として感染します。また、感染した母親による、出産時の母子感染も原因の一つです。アフリカを中心に全世界で症例が報告されており、現在でも研究が続けられていますが完治や治癒は難しい感染症と言われています。

免疫不全症候群の治療法

免疫不全症候群を予防するためには、ヒトとヒトが性交渉をした際の性的感染が最大の原因として考えられています。そのため性的感染のリスクを減らすため、避妊具を装着することで予防につながります。正しい使い方や、装着のタイミングなども感染予防のために重要な手段です。
  
輸血による血液感染も報告されていましたが、現在では感染リスクが低下しています。感染症法にも規定されているため、偏見などを持たないため、正しい知識を得ることも重要です。

治療は、感染症の治療とともに、その原因に対する治療が基本になります。また、造血幹細胞移植が行われる場合もあります。