アイゼンメンジャー症候群とは
アイゼンメンジャー症候群(肺血管閉塞病変)とは、先天性の心奇形が未矯正である場合におこりうる合併症の一つです。 左右の心室を隔てている心室中隔の欠損や、胎児期に使われていた動脈管が開存したままなどの原因で肺への血流が増加し、肺高血圧が進行することで静脈血が動脈に流れ、チアノーゼや易疲労性、動悸・息切れなどがおこる症候をいいます。
アイゼンメンジャー症候群の症状
アイゼンメンジャー症候群の主な症状は、年齢とともに出ることが多くなります。症状は、通常の日常生活を送るのには問題が無い程度の、軽度の動悸や呼吸困難、唇や皮ふが長時間プールなどに入った後のような紫色になるチアノーゼなどです。そのほか、自覚症状として程度に差はありますが、頭痛、むくみ、胸部の痛みなどもあげられます。
また、加齢に伴って症状は重くなり、心不全や不整脈、脳血管障害、呼吸困難がおこることが多くなり、全身麻酔を伴う手術などのリスクが非常に高くなり危険です。
アイゼンメンジャー症候群の原因
アイゼンメンジャー症候群は、後天的な理由が原因でかかる場合と、先天性の心臓の奇形が原因となっておこる合併症です。原因となる先天性の心臓奇形は複数考えられています。例えば、心臓にある心室中隔に欠損孔が開いてしまう心室中隔欠損症や、生後に動脈管が閉鎖しなかった場合におこる動脈管開存症などです。これらの心臓奇形が原因となり、本来であれば肺に流れるための静脈血が動脈血に混ざることで酸素が不足し、チアノーゼなどの各種症状をともなったアイゼンメンジャー症候群の症状があらわれると考えられています。
アイゼンメンジャー症候群の治療法
アイゼンメンジャー症候群は、先天性の心臓奇形が原因となる合併症の一つであるため、明確な予防方法はありません。しかし、乳児、幼児期の段階で心臓に何らかの奇形があると判断された場合に、専門医にかかり、その治療をすることで、危険因子を減らし、発症の可能性を下げることはできます。また、アイゼンメンジャー症候群であると診断された場合には、必ず定期的な診療をうけ、日々の体調の変化などを、誰がいつみてもわかるようにメモして持っておきます。加えて、女性の場合は妊娠の際のリスクが高いので注意が必要です。
治療としては、肺高血圧に対する薬物療法や、酸素療法が効果があるという報告がありますが、
それぞれの主治医と相談して治療を決定していく必要があります。
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