持続勃起症の症状

持続勃起症は、早朝勃起や性的興奮後の勃起が戻らない場合、会陰部を強打した後などにみられます。
  
持続勃起症は、静脈性持続勃起症と、動脈性持続勃起症に分かれます。静脈性持続勃起症は、陰茎海綿体内の血液の戻りが悪いために、虚血状態になるもので、硬く、痛みを伴います。新鮮な血液が流れなくなるために、発症から6時間が経過すると、海綿体組織の壊死が始まり、緊急性を伴う危険な状態です。
  
一方、動脈性持続勃起症は、何らかの理由で海綿体内の動脈が破れ、動脈血が絶えず流入し続けることによります。硬度は不完全で、痛みを伴わない場合もあります。この場合の緊急度は高くはありません。

持続勃起症の原因

静脈性持続勃起症の原因は、ED(勃起不全)治療のための海綿体注射やバイアグラの服用など、薬物の影響が大きいとされています。また、白血病や過度の飲酒、麻薬の常習、糖尿病、脊髄損傷、尿路感染などが原因の場合もあります。動脈性持続勃起症の原因は、陰茎打撲、会陰部打撲などの外傷により、血管に損傷を受けたことによる場合が多いようです。
  
持続勃起症の発症は、5~10歳の小児期と20~50歳にピークがあります。小児期の発症原因は、鎌状赤血球症や悪性新生物による場合も多いですが、成人の場合は、実際のところ、原因がわからないケースも多いです。

持続勃起症の治療法

持続勃起症には、明確な予防法は確立されていません。ただし、静脈性持続勃起症の場合は、海綿体組織の壊死が始まる前に何らかの治療を行わないと、後々器質性勃起障害の原因となり、最悪陰茎の切断にもなりかねません。4時間以上痛みのある症状が続いたら、くれぐれも早急に受診を行うことを勧めます。
  
静脈性持続勃起症の治療は、海綿体に針を刺して血液を抜き、血管収縮薬を注入します。それでも改善しない場合は、瀉血手術を行います。動脈性持続勃起症の場合は、陰茎の圧迫や冷却、止血剤の投与等を行います。海綿体動脈破裂が原因の時は動脈塞栓術が行われることもあります。