アルカプトン尿症の症状

アルカプトン尿症では、汗や尿にホモゲンチジン酸が大量に排出されますので、尿を放置すると黒変します。乳児では、おむつに付着した尿が黒く変色します。
  
ホモゲンチジン酸が体内に蓄積していくことによって、20歳~30歳頃になると、組織黒変症の症状が現れはじめます。眼や耳に青い色素がすることから始まり、やがて全身の軟骨や線維組織への色素沈着が進行していきます。
  
40歳~50歳では、全身の大きな間接への関節炎の症状が現れます。関節の痛みによって運動が制限されるばかりではなく、寝たきりとなるケースもあります。

アルカプトン尿症の原因

アルカプトン尿症は、常染色体性劣性遺伝による先天性の病気です。
  
HGD遺伝子の変異によって、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損が生じるとされています。アルカプトン尿症が判明した場合には、発症リスクのある親族の尿検査を行うことで、関節炎などの合併症への対策を講じられます。
   
患者の子どもが、アルカプトン尿症を発症する確率は25%、症状はなく保因者となる確率は50%とされています。そのため、血族結婚では、アルカプトン尿症の発生頻度が高まります。アルカプトン尿症は、大動脈弁の閉鎖不全や大動脈拡張、腎臓や前立腺の結石の原因となることもあります。

アルカプトン尿症の治療法

アルカプトン尿症は、先天性の代謝異常ですので、予防法は確立されておらず、アルカプトン尿症の有効な治療方法も確立されていません。色素沈着を抑制するために、ビタミンCが投与されます。関節炎の進行を抑えるためには、水泳などの運動によって、関節の可動域が維持される効果があります。
  
間接炎には、筋力や柔軟性を保持するために、理学療法や作業療法が行われています。膝や腰、肩の間接炎が進行した場合には、置換手術が施されています。