パラチフスの症状

パラチフスの症状は、感染後2週間程度の潜伏期間の後、現れます。突然、38℃以上の高熱が続きます。解熱剤を使っても一時的に熱は下がりますが、発熱を繰り返します。発熱と同時に、頭痛や関節痛、倦怠感や食欲がないなどの症状も現れます。感染症の特長である下痢は、患者のうち約半数の人に現れます。
  
また、腸に潰瘍ができる場合もあり、血便や腸に穴があくこともあります。同じ症状を見せる腸チフスより、比較的軽症となっています。食中毒であることに変わりはないので、早急に専門医の治療を受ける事が大切です。

パラチフスの原因

パラチフスの原因は、パラチフス菌が経口摂取により体内に入り込むことによって引き起こされます。パラチフス菌は、食中毒の原因として知られるサルモネラ菌の中の細菌の一種です。
  
パラチフス菌が付着した食べ物や水、手などから経口感染します。なかでも、パラチフスA菌は、非常に感染力が強く、体内に入ると血液中で増殖する特長があります。増殖したパラチフスA菌は、発熱や臓器の不調を引き起こすのです。発展途上国などの衛生状態の悪い地域で、感染する場合が多いことでも知られています。
  
日本では、下水道などの完備により衛生状態が改善され、発症が減少しています。

パラチフスの治療法

食中毒の一種であるパラチフスを予防するには、流行時期とされる夏場に生水を飲まないことや、食品は必ず加熱処理することが挙げられます。また、調理につかうまな板や包丁なども、しっかりと除菌すると予防に効果的です。卵の殻にも、細菌が付着している場合もあります。
 
パラチフスを予防するワクチンは、日本では認可されたものはありません。日本国内においては、減少傾向にあるパラチフスですが、海外旅行をする際には注意が必要です。