スポロトリコーシスの症状

スポロトリコーシスの症状は、皮膚の外傷から菌が侵入することで引き起こされます。2週間~4週間後に手や上肢に赤い丘疹ができ、徐々に大豆大以上の大きいしこりに拡大していきます。無意識に目を擦ることが多い子どもの場合、顔や目の周りに特に多く見られます。
  
進行するとさらに増大し、皮膚固定型と皮膚リンパ管型の2つの病変を形成します。皮膚固定型は、顔面にできることが多く、菌が侵入した部分のみに病変が見られ、皮膚リンパ管型は、はじめに発症した部位からリンパ管を介して飛び石状に膿疱や潰瘍が現れます。
  
どちらとも区別がつかない中間型もあり、免疫状態ものが悪い場合、極稀に内臓などに広がる場合(播種型スポロトリコーシス)もあります。

スポロトリコーシスの原因

スポロトリコーシスの原因となるスポロトリックス・シェンキーは、土壌や草木など自然界に広く腐生しており、菌が外傷から体内に侵入することで発症します。人から人への感染は基本的にはないですが、病変組織中では分芽胞子として存在します。
  
高温多湿地域での発症が多く、大きな河川がある北関東、九州、四国に特に多く見られます。しかし、都市化が進み、農業従事者が減少傾向にあることから、数は減少しています。
  
スポロトリコーシスは、住んでいる場所や職業、趣味、年齢などが関係し発症します。秋の終わり頃から発症し始め、冬にピークをむかえ夏に少ないです。肌を露出することの多い春から夏にかけては、下肢発症例がみられる傾向にあります。

スポロトリコーシスの治療法

スポロトリコーシスは、外傷から真菌であるスポロトリックス・シェンキーが侵入することに発症することが分かっているため、傷を負った後の対処が予防にもつながります。特に外傷を受けやすい小児、日常的に土を触る農作業従事者の場合は、発症リスクが高まるため注意が必要です。
  
何らかの原因で手や足など露出部分に傷を負った場合には、外傷をガーゼなどで多い、菌の侵入を防ぐことが賢明です。数週間経ち、赤い丘疹やしこりが見られる場合には、放置せず、皮膚科医を受診することが大切です。
熱に弱い病原体で温熱療法やヨウ化カリウム、抗真菌薬等で治療されます。