症状

膀胱憩室の初期の段階ではほとんど症状がありません。次第に憩室が大きくなるに従いさまざまな症状が出現するようになります。
・尿が溜まることによる慢性膀胱炎
・溜まった尿により憩室に結石、炎症が生じる
・尿の混濁
・排尿時の痛み
・残尿感
・多尿症
・尿路感染症
・血尿
などの症状があります。

また一度排尿した後、短時間で再度ある程度の排尿がある二次排尿といったことも起こります。膀胱憩室ができた場合、内部に悪性の腫瘍が発生することがあります。このため膀胱の造影や尿路の造影、超音波検査などで憩室の内部を確認・観察します。

原因

膀胱から尿道までの経路上で何らかの障害が起き、これにより通路が狭くなることで膀胱内の圧力が高まります。この時に膀胱の壁の弱い部分に一気に圧力がかかることが原因で膀胱の一部が膀胱の外に突出します。

病変はエコーで確認することができます。膀胱の外に膀胱に付随している憩室がみられます。憩室が複数発見されることも少なくありません。尿路上の経路における障害とは
・前立腺肥大症
・神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこうえん)
・過去に膀胱損傷を受けている
・過去に膀胱の手術を受けている
などがあげられます。
膀胱憩室はさらに、その他の排尿障害の原因となることも多いのが特徴です。

治療法

膀胱憩室を積極的に予防する策はありません。排尿をする際にいつもとは違う違和感や痛みなど、膀胱炎の症状がある場合には膀胱憩室が原因であることもあります。症状が長引いたり頻繁に繰り返したりする場合は医師に診断を受けることが大切です。

通常、症状が比較的軽く膀胱炎や憩室の炎症、憩室内の結石などの合併症がなければ経過観察となります。まれに憩室内に悪性の腫瘍が発見されることもあります。悪性腫瘍が合併している場合は開腹による手術が必要です。