副腎性器症候群/先天性副腎過形成の症状

副腎性器症候群/先天性副腎過形成は副腎皮質のできものや過形成が原因で分泌される男性ホルモンであるアンドロゲンあるいは女性ホルモンであるエストロゲンが過剰に分泌されることから起こります。

過剰分泌により下記のような男性化の症状が見られるようになります。
・体毛の増加
・ニキビが出る
・声が低くなる
・月経の異常および無月経
・子宮が萎縮する子宮発育不全
・乳房発育不全
・陰核が拡大する
など女性が男性化したり男児に性早熟が起きたりします。
エストロゲン過剰では男性には女性化乳房、性欲低下、睾丸萎縮。女性では性早熟傾向や月経異常等を認めます。

特に胎児期にアンドロゲンの分泌量が高い数値である場合、生後5~10日を経過した頃から哺乳力の低下、嘔吐、下痢などの症状が出ます。

副腎性器症候群/先天性副腎過形成の原因

副腎性器症候群/先天性副腎過形成の原因は、遺伝子の突然変異によるものや後天性のアンドロゲン産出副腎腫瘍も数%の割合で発症します。遺伝子の6番染色体に突然変異により脂肪や炭水化物の代謝を制御するコレチゾールの合成に障害が起きます。

特に21水素化酵素が先天的に欠損していることが多く、コルチゾールの合成を刺激するために下垂体から副腎皮質刺激ホルモンの分泌が増加します。副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌されると副腎は大きく腫れ男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌が過剰に行われることで性器の男性化が起こるといわれています。

副腎性器症候群/先天性副腎過形成の治療法

副腎性器症候群のほとんどは先天性の疾患であるため予防策はありません。尿中の副腎皮質ホルモンなどを検査することで、先天性副腎皮質過形成を見つけることで診断されます。新生児にはスクリーニング検査が実施され、副腎性器症候群/先天性副腎過形成の早期発見が可能となっています。

副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され続けると重症化し副腎機能そのものが失われて、副腎不全になることもあります。分泌が低下しているホルモンを充填し過剰に分泌されているホルモンを抑制することで、ホルモンバランスを保つ治療が一般的です。