性腺機能低下症の症状

性腺機能低下症は精子や卵子を作る性腺(精巣や卵巣)またはそれらを刺激するホルモンを作る脳の特定の部位の機能不全がみられます。男女ともに起こり、ともに性ホルモンの不足がみられます。自覚症状はありませんが男子は男性らしく、女児は女性らしく成長していく思春期になかなか二次性徴が見られないことで発覚します。

二次性徴において男児は
・声変わり
・陰毛の発育
・睾丸の発育
・陰茎の発育

女児は
・乳房の発育
・陰毛の発育
・無月経、無排卵
などの変化が現れますが性腺機能低下症を発症している場合、これらの性徴の表れるスピードが遅い、もしくは発現がないといった症状が起こります。

成人期に発症した場合は性欲低下などがみられます。放置していると骨粗鬆症にもつながることもあります。

性腺機能低下症の原因

性腺機能低下症の原因としては性腺に原因がある場合と性腺刺激ホルモンの不足による場合があります。

性腺に原因がある場合は
・ターナー症候群:女児において性染色体の一部に欠損がみられる染色体異常
・クラインフェルター症候群:男児における性染色体異常
が原因であるとされています。

一方、脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの不足している場合は
・カールマン症候群
・脳腫瘍
などが原因であるとされています。男女いずれも低身長などの傾向が現れるのが特徴です。血中のテストステロンの数値、性腺刺激ホルモンの測定、染色体検査などで原因を確定することができます。

性腺機能低下症の治療法

性腺機能低下症の予防法は確立されていません。また染色体異常である場合は先天性のものとなり予防をすることができません。性腺機能低下症を発症していると診断を受けた場合は内分泌内科での診察が必要となります。

症状を改善するための治療法は男女で異なります。男性の場合は男性ホルモンを月に1~2回注射します。女性の場合は女性ホルモンを内服します。また成人が生殖能力を得るためには性腺に刺激を与える治療もあわせて必要となります。