老年期うつ病の症状

老年期うつ病が軽度のものだと心理的な不調よりも先に身体的な不調を訴えることがあります。人によってさまざまですが体のふらつきやしびれ、記憶力の衰え、集中力低下といった症状が現れます。軽度だといっても高齢期からのうつ病は進行が早いこともあるため軽視してはいけません。
老年期うつ病は認知症と同様の症状が現れやすく、それぞれで治療のアプローチの仕方が異なってくるため見極めることが大事です。うつ病によって気力や集中力が低下したことで、認知症のような物忘れを引き起こすこともあるので認知症と決めつけずに、他に食欲不振や睡眠障害などがあるのであればうつ病を疑ってみてください。

老年期うつ病の原因

老年期うつ病を発症する原因となるストレス因子は大きく2つに分かれます。
・重大なライフイベントにおけるストレス
大切な人やペットとの別れ、自分を含め自分の身近な人が突然命の危機に陥った(病気や事故など)、長年住んでいた場所から引っ越すことや、経済的に生活が困難になったなどが挙げられます。
・慢性的なストレス
日頃から感じている小さなストレスが積もりに積もって結果的にうつが発症するパターンです。老化に伴い身体が思うように動かなくなってきたなど体調面の不安感や、社会的な役割を失ったときの喪失感などがあてはまります。同居家族とのトラブルや親の介護によるストレスも考えられる原因の一つです。

老年期うつ病の治療法

老年期うつ病になる人は社会的に孤立していると感じていることが多いため、少しずつ周りとのネットワークをもてるように支援することが大切です。家族であれホームヘルパーであれ、何気ない会話でもコミニュケーションをとることから始めて、まめに連絡を取り合うようにします。そうすることで患者が相談しやすい環境ができて支えられているという実感を与えることができるかもしれません。身体的な症状がみられる場合は精神的なフォローと共に、栄養管理や運動療法などを必要に応じて取り入れることが必要になってきます。若い方に比べて治りにくい可能性がありますが精神科での抗うつ薬等をメインとした治療と休息も重要です。