心内膜床欠損症の症状

心内膜床欠損症は欠損の程度によって不完全型と完全型に分類されます。心室には欠損がみられず心房だけに穴が空いている状態を不完全型と呼び、心房と心室の両方に欠損がみられる場合は完全型になります。

完全型では生後一か月ごろからミルクを飲む量が少なく体重が増えない、眠っている間も呼吸が早い、寝汗をかくなどの症状がみられます。これは肺に流れる血流の量が増えることによって肺高血圧を引き起こしていることが原因です。

一方で不完全型は乳幼児期には無症状のため、僧帽弁の閉鎖不全が合併してはじめて症状が現れはじめます。

心内膜床欠損症の原因

心内膜床欠損症は先天性の心疾患の一つ故に特別な原因はいまだ分かっていません。約半数がダウン症と合併しているといわれています。

ダウン症もまた先天性の病気です。出産時の母親の年齢が高齢なほどダウン症の出生頻度も高くなります。近年の高齢出産増加にダウン症も増加傾向にあり、それに伴い心内膜床欠損症も増加の一途をたどっています。

ダウン症が原因の場合、出生後一年の間に手術することができれば成功率は約95%と高いため早期発見、早期治療が大事だといえます。

心内膜床欠損症の治療法

心内膜床欠損症の治療は外科的治療によるもの、つまり手術を行う必要があります。心不全の状況や患者の体力によっておおむね1歳から4歳の間で心内修復術を行います。心内修復術とは、心房と心室の欠損部分をパッチで塞ぐ方法です。僧帽弁の閉鎖不全がある場合には新たな房室弁の形成術や人工弁置換術も同時に行います。

僧帽弁は血流の逆流を防ぐ大切な役割を果たしており、生涯にわたって心機能の働きに関わってくるため予後は定期的に専門医に診てもらうと安心です。